第二章 友達の絆 137 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「……え」

ライトは愛花を庇う様に抱き寄せる。

「が、あぁ……くぅッ!!」

「おいおい、そりゃつまんねーぞ赤毛犬」

男がライトの行動に呆れたような声を上げる。

そして力強く左手に持つ蛇腹剣を引き戻した。

「がぁああっ!!」

ワイアーの様に伸びた男の剣がライトの肩をノコギリのように削る。

そして男の手元に伸びた刃が戻る頃には、ライトは脱力し愛花に寄りかかるように倒れ込んだ。

「……なん、で」

右肩から血を吹き出すライトを呆然と見つめる愛花。

腕が斬り落とされていないだけでも奇跡に近い。 

「ライト、さん……ライトさんッ!!」 

今まで見ているだけだったエレナがライトに近づいていく。

護は何が起きたのか分からないという感じに呆然と立ち尽くしていた。

「何で……私はアンタを……なのに、どうして……」

目から大粒の涙を流す愛花。

そんな彼女にライトは優しく微笑む。

そしてゆっくりと口を開いた。

「嫌だったから……こんな自分の生き方が。周りを傷つけたり、犠牲にしたりするのが……。お前らの日常を、壊すのが……」

消えかかった声でライトは続ける。

「悪魔憑きだから、そう言う生き方をしなくちゃいけないって、思ってた。だけど、それは勘違いだったんだ……。もっと簡単で、単純な答えがあったんだ……」

愛花の制服の裾を必死に握りしめるライト。

そんな彼女を愛花は抱き寄せる。

「ライト、喋っちゃダメ! 今から治療するから、だから――」

「……私の復讐は〝化物〟としてでは無く、〝人間〟として果たされないと意味がないって……」

ライトは痛みに苦しみながらも愛花にそう笑いかける。

「この答えはさ……どっかのバカにさっき教えられたんだ。ホント、簡単な事だろうって感じにさ……」

笑っちゃうよな、とライトは笑う。

そんな彼女達のやり取りを男は不満そうな表情で見つめていた。

「オイオイオイオイッ! 何そこで仲直り的な展開になってんだよお前ら。さっきまで殺し合いしてただろうがよ赤毛犬ッ!! つまんねーぞこんな展開!」

蛇腹剣を地面に叩きつける男。

「チッ、もういいぜお前らのショーは。飽きた飽きた」

男は肩を鳴らしながら呟く。

そしてライトと愛花に蛇腹剣の尖端を向けた。



/続く




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