「ホラホラ、何ボサッとしてんだ? 早く何かしら武器作らねーと……」
長く伸びた剣がグリードの手元に全て戻る、と同時に――。
「今度は心臓目掛けちまうぜぇ!?」
ズン、と甲高い音をたてながら再び剣がコチラに伸びてくる。
今度は私の心臓部分を目掛けて。
が、武器を作り出すにももう間に合わない。
それに、私はこの一撃はかわす事は出来ないと直感していた。
さっきは直線を描くように伸びてきただけだが、今度はかわした瞬間、曲がって背中から串刺しにされる可能性だってある。
そう考えると無理にかわさず手で防いだ方がまだ無事にすむかもしれない。
しかし、そんな私の予想は簡単に裏切られた。
――速すぎる……!!
どう考えてもさっきの時よりスピードが増している。
とても手で防げる物じゃない。
下手したら手の平を貫通してそのまま私の身体を貫きかねない。
剣は確実に、猛速でコチラに伸びてきている。
身体が震える、頭が真っ白になる。
剣を突きつけられた時、武器を作り出しておけば良かったと今更後悔してしまう。
しかしもう遅い、延びる黒い刃は私のすぐ目の前まで迫っている。
私は来ると予想された〝死〟に備えるよいに目を閉じた。
が、その時、目の前で鎖が叩き落とされるかのような音が聞こえてきたのだ。
私はそっと目を開ける。
目の前にはヘナヘナと地面に崩れる鎖のような剣。
そしてそのすぐ近くに息を荒くしながら鉄パイプを握る神崎護の姿。
コイツが、伸びてくる剣を叩き落としたのだろうか。
と、護は私に顔を向けるなり――。
「ライト、今だッ!!」
そう、叫ぶように声を上げた。
その言葉に私は反射的に短剣を作り出す。
そして、短剣の先端をグリードの脳天に投げ飛ばす。
グチャリ、と汚い音が響きわたる。
グリードは白目を剥き、脳天から血をダラダラ流す。
奴の剣も主が刺されたのが原因か、さっきまで戻っていた動作を停止した。
そのままグリードは大の字を描くように倒れ込んだ。
/続く