暗い一本道をひたすら歩く。
その間、何度も私は後ろを振り返る。
あのマンションからはもう随分と離れている。
さっき少しばかり大きな音が聞こえたが、それはアイツらによる物か化け物によるものかは分からない。
私は立ち止まり、何度目になるのか後ろに振り返る。
誰も居ない、誰も来ない。
アイツらは生きているのだろうか、と少しばかり思ってしまう。
切り捨てておいてこんな事を思うなんて矛盾している。
あの護の事を矛盾している、なんて今の私には言えないな。
ふと、自分の身体が震えている事に気づく。
何で震えているのだろうか。
―― アイツらを見捨てたから?
そんな事で私は、こんなにも震えているのか?
「違う……」
悪魔との契約の証である刻印が刻まれた右腕を睨みつける。
そもそも悪魔と契約している時点で私は救いようのないクズで最低の人間なんだ。
そんな人間が他人を見捨てた程度で何を震えているんだ……。
〝ヒヒヒ……罪悪感を感じてるのか?〟
と、震える私に悪魔が語り掛けてきた。
すると突然、右腕の刻印が黒い渦を巻き起こす。
そして黒い渦はまるで蛇の様に私の足元まで下だり落ちると、そこからゆっくりと黒い人型の影を作り出した。
黒い人影は私に顔を向けるとニヤリといやらしく口元を歪ませる。
「ヒヒヒ、本心では心配で仕方ないんだろ?」
「違う……思ってない、私はそんな事なんて……」
「罪悪感を感じて、何ども振り返ってんだろ? 付いてきていないかとか、そんな事期待してんだろう??」
まるで呪いの言葉のように目の前の悪魔が私に呟く。
「違う……違う、違う違う違うッ!!!」
頭を抱えながら私は叫ぶ。
「ヒヒヒ、アンタも充分矛盾してんだよッ! さっきもそうだったよな? アイツらの友達の絆の強さに焦がれてただろ? 今ままで友達とかカスの集まりと思っていたアンタがさぁ!!」
私はその場に崩れるようにしゃがみこんでしまう。
何故か、胸が苦しい……。
張り裂けそな激痛が胸から頭へと走り抜けていく。
エレナの様に頭を抱えながらいつの間にか私はうずくまっていた。
息がだんだん苦しくなっていく。
嫌な汗が下だり落ちる。
/続く