第二章 友達の絆 102 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

と、そんな事を頭の中で考えていると――。

「ってか、ライト。その話なんだ?」

今まで黙っていた護がそんな言葉を口にした。

「その話?」

「あぁ、お前今この事件の誘拐犯はアヴェンジャーを従えてるって言ってたよな?」

そう言われて私はハッとある事に気づいた。

この二人が誘拐犯とアヴェンジャーの関係について知らなかった事に。

護の言葉を聞いてか愛花は私に不安そうな視線を向ける。

「どういう事? この事件の誘拐犯がアヴェンジャーを従えてるって。って事はなに、エレナは今……化け物に捕らわれてるって事ッ!?」

愛花は私の首元を掴み、グイっと顔を寄せてきた。

「答えて、どうなのッ! 今の話は本当なのライトッ!!」

物凄い力で首元が掴まれているせいか、息が苦しくなってくる。

私はそんな愛花の腕を振り払う。

「あぁ、お前らと会う少し前に変なオッサンから聞いたんだよ。まぁ、その情報を教えくれたオッサンはその数分後に殺されてたけどな」

荒い息のまま、今までの事を話す。

するとさっきまで強気だった愛花の身体が震えている。

「……エレナ、エレナ……」

今の話を聞いてか、ますます愛花の表情が曇っていく。

うかつだった、出来ればコイツらには話したくなかった事だったけど。

身体を震わす愛花の頭を、私の話をただ黙って聞いていた護が優しく撫でる。

そして私に顔を向ける。

さっきのアイツからは想像出来ない程の真剣なその視線に私は少し身体を震わせた。

「な、何だ。黙ってたのは悪かったけど、お前らに話さなかったのは――」

「分かってる。気遣ってくれてたんだろ。けど、それでもこうなっちまった以上、俺達にも無関係な事じゃない」

愛花とは対照的に護は驚くほどに冷静だった。

何でだ、どうして冷静でいられるんだ。

昨日なんて恐怖のあまり嘔吐してたのに。

なのに、そんな奴がどうして、こうも冷静でいられるんだ。

「ライトの言うことには一利ある。けど、もう少しこのマンションを調べてみても良いだろ。何ならライトは別行動しても良いぞ」

震える愛花をしゃがませると、護は私に身体を向ける。

アヴェンジャーが関わっているのに、どうしてそうしていられるんだ。

ますますこの男の事が理解出来ない。



/続く



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