「ところでさ、一つ忘れてない?」
「ん、忘れてるって何を」
俺がそう答えると火野川は呆れるようにため息をついた。
「エレナのタロット占い。アンタ最後まで占ってもらってないでしょ?」
「あぁ、そいやそうだったな」
俺は龍二の頬をツンツン突っつくエレナに顔を向ける。
するとエレナは「ほ?」と首を傾げる。
「んで? 俺を占ったお前の考察は?」
「あぁ、そう言えばまだ言ってませんでしたねぇ~」
ずるっと椅子からお落ちそうになってしまう。
「ったく、占い師が結果を伝え忘れるってどんな状況だ?」
「いやいや~失礼しました。ゴホン、ではタロットカードが示した護さんの運命やいかにッ! 神楽咲エレナの勝手に他人の運命を考察しちゃおうコーナーッ!!」
タラーン♪ と言う交換音がエレナの背中から聞こえた気がする。
つかコーナーって何だよ。
「護さんが引いたタロットカードは悪魔、世界、魔術、そして運命の輪でしたね。このカード及び位置から考察するに――」
エレナは一度両目を閉じる。
そしてしばらく何かを考えるかのような表情になると、すぐに両目を開けた。
そして俺が引いたタロットカードの順番を変える。
一番初めに世界、次に悪魔、その後は魔術、運命の輪。
「護さんは自身の調和を壊されました。でもそれが原因で何かに覚醒、いや目覚めるんですね。そしてあらゆる局面でも可能性を信じる強い人。そして、そんな護さんにも運命的な出会いがあるのかもしれません」
火野川の時よりも少し真面目な顔つきで解説するエレナ。
「順番を変えたのは、今の護さんに合った解説をしたかったからです」
「ふぅ~ん、で? どうなのよ護」
エレナの解説を聞いた火野川が俺に声をかけてくる。
正直、この占いで出たカードはどれもただの運とは思えない。
まぁ、運命的な出会いとか、目覚めるとかはファンタジー的すぎるけど。
「まぁ、今の時点で合ってると言えるのはこの世界のカードの意味だけだな」
ペラっと世界のカードを手に取る。
調和の破壊、今の俺にはピッタリすぎるカードだよな。
まぁ、そんな俺だけに言える事じゃないんだけどな。
「まぁしょせんは占いですから。そこまで気にしなくても良いと思いますよ?」
と、ホワホワスマイルでエレナは俺にそう言った。
/続く