第二章 友達の絆 61 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「ところでさ、一つ忘れてない?」

「ん、忘れてるって何を」

俺がそう答えると火野川は呆れるようにため息をついた。

「エレナのタロット占い。アンタ最後まで占ってもらってないでしょ?」

「あぁ、そいやそうだったな」

俺は龍二の頬をツンツン突っつくエレナに顔を向ける。

するとエレナは「ほ?」と首を傾げる。

「んで? 俺を占ったお前の考察は?」

「あぁ、そう言えばまだ言ってませんでしたねぇ~」

ずるっと椅子からお落ちそうになってしまう。

「ったく、占い師が結果を伝え忘れるってどんな状況だ?」

「いやいや~失礼しました。ゴホン、ではタロットカードが示した護さんの運命やいかにッ! 神楽咲エレナの勝手に他人の運命を考察しちゃおうコーナーッ!!」

タラーン♪ と言う交換音がエレナの背中から聞こえた気がする。

つかコーナーって何だよ。

「護さんが引いたタロットカードは悪魔、世界、魔術、そして運命の輪でしたね。このカード及び位置から考察するに――」

エレナは一度両目を閉じる。

そしてしばらく何かを考えるかのような表情になると、すぐに両目を開けた。

そして俺が引いたタロットカードの順番を変える。

 一番初めに世界、次に悪魔、その後は魔術、運命の輪。

「護さんは自身の調和を壊されました。でもそれが原因で何かに覚醒、いや目覚めるんですね。そしてあらゆる局面でも可能性を信じる強い人。そして、そんな護さんにも運命的な出会いがあるのかもしれません」

火野川の時よりも少し真面目な顔つきで解説するエレナ。

「順番を変えたのは、今の護さんに合った解説をしたかったからです」

「ふぅ~ん、で? どうなのよ護」

エレナの解説を聞いた火野川が俺に声をかけてくる。

正直、この占いで出たカードはどれもただの運とは思えない。

まぁ、運命的な出会いとか、目覚めるとかはファンタジー的すぎるけど。

「まぁ、今の時点で合ってると言えるのはこの世界のカードの意味だけだな」

ペラっと世界のカードを手に取る。

調和の破壊、今の俺にはピッタリすぎるカードだよな。

まぁ、そんな俺だけに言える事じゃないんだけどな。

「まぁしょせんは占いですから。そこまで気にしなくても良いと思いますよ?」

と、ホワホワスマイルでエレナは俺にそう言った。



/続く



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