第二章 友達の絆 54 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「ほら、貸しなさいよ」

小動物の様にカードを切るエレナから火野川はタロットカードを貰う。

そしてカードを切り始めた。

エレナと比べ、火野川は手馴れているらしい。

切るスピードもかなり早い。

「ほぉ~、愛花さんって器用ですね~」

「そうでもないけどね、ほい出来た」

火野川は切り終えたタロットカードをテーブルの中心に置く。

「それで? 誰から占うの」

「誰からにしますか?」

エレナの即答に火野川が顔をテーブルに叩きつける。

「決めてあるんじゃないの……?」

「イヤイヤ、こういうのは皆で話し合って決めた方が良いと思いまして」

「なるほどね、一応アンタにも考えがった訳か」

「その通りッ! で、誰を先に占うかはですね~、うんしょっと」

エレナはブツブツ何かを言いながら再びポケットの中をほじくる。

そして中から取り出したのは――。

「何、その棒……?」

「あれ、愛花さん知りませんか? 最近人気急上昇中のアザラシのキャラクター、ゴマ太郎の関連商品ですッ!」

ゴマ太郎、そうバーチャル世界のアイドルであるアスナちゃんに引けを取らないキャラクター。

その対象は園児から高校生とかなり広い。

二次元萌でなおかつオタク達の対象キャラのアスナちゃんより、下手すれば人気なんじゃないか?

「因みに棒ではありません。まだ削っていないので分からないかもしれませんが、これは鉛筆なんですよぉ? ほらほら、クルクル回すとゴマ太郎が気持ちよさそうに泳ぐんですよ~」

クルクルゴマ太郎の鉛筆を回すエレナを俺達はため息をしながら見つめる。

「そんで? その鉛筆がどうかしたのか」

「よくぞ聞いてくれました護さん。この鉛筆で占い相手を決めたいと思います!」

「鉛筆でどーやって決めるんだ? まさか鉛筆を倒した方に居た人を占いとか言わないよな?」

「え、そうですけど?」

先程の火野川のように今度は俺が顔をテーブルに叩きつける。

エレナは本当に簡単な奴だと思う。



/続く



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