「つか、アイツ等大丈夫なのか? もし座れてなかったら、第三エリアに着く頃にはヘナヘナの紙くずみたいになってるぞ」
「あぁ、それなら大丈夫。エレナは龍二と一緒に座る事が出来たってメールが来たから」
「そっか……って、坂口は?」
「アイツは音信不通、座れなかったんでしょうね。まぁでも、グイグイ押されればあのお腹も少しは引っ込むでしょ」
「お前、結構酷い事言ってるって自覚してるか……」
「してないし、する気も無い。少しは痩せろっての」
坂口本人がここに居なくて良かったと、心から思う。
「それで、トランプやるの?」
学生鞄からトランプを取り出しながら火野川は俺にそう言った。
「やっても良いけど、何すんだよ?」
「んー、そうね。じゃ~ババ抜きしない?」
「二人でババ抜きだぁ!? 四人ならまだしも、二人でやるゲームじゃねーぞッ!」
「べ、別に良いじゃないッ! 出来なくは無いんだしッ!」
「あっという間に勝負ついちまうだろーがッ!」
俺はため息をしながら窓の外に顔を向ける。
が、その時だった。
火野川が俺の左頬をグイグイと引っ張ってきたのだ。
「ぐに~、にゃにすんだ~!!」
「良いからババ抜きするのッ!!」
ベチン、と勢い良く引っ張られていた左頬が離される。
そして火野川はトランプのカードを手馴れた手つきで切る。
/続く