「あれヒノッチ、マモッチは?」
呆然と座っている私に坂口が声をかけてきた。
「あぁ、さっきまでは居たんだけどね。部屋に戻ってっちゃったわよ」
「そうか~、元気づけようと思ったのですが」
頭をかきながら坂口は私の前の席に腰を降ろす。
相変わらず坂口は自賛の朝食。
今日はハムサンドだ。
「やっぱり元気なかった?」
「口では大丈夫って言ってるけどね。でもやっぱりショックが大きいのかな」
そうか~、と坂口は残念そうに呟いた。
いつもはうるさいくらい元気な護。
そんな奴が急にああなると私達の調子も狂ってしまう。
「おはようございます、愛花さん」
と、背中の方から耳慣れた声。
顔を向けるとそこにはエレナが立っていた。
「あぁ、おはようエレナ」
「坂口さんも、おはようです」
「おは~エレッチ~」
挨拶を終えるとエレナは私に向き直る。
その表情はどこか暗い感じだった。
「あの……護さん、今日は遅れて行くって……」
「うん、知ってるわよ」
私の返事にそうですか、と小さく呟くエレナ。
坂口もだけど、やっぱり彼女も護を心配しているのだ。
エレナは私の隣に腰を降ろす。
「護さん、来るでしょうか……」
不安そうな声でエレナはそう言った。
その言葉に坂口も寂しげな表情を浮かべる。
「さぁね、来ないなら来ないで良いんじゃないの? 今は無理に連れ出したって仕方ないしね」
紙コップに入った水を飲みながら私はそう言った。
/続く