そして、その考えが砕けた瞬間。
また昨日の公園での映像が脳内に走る。
――あの、化け物達の姿。
――化け物を殺す、赤い色の復讐者。
俺は頭を左右に振り、再生されそうな記録映像を振り洗う。
思い出したくない。
もう二度と、あんな所見たくない。
「護?」
「あ……え?」
「どうしたの? 顔色悪いけど、やっぱり――」
「だ、大丈夫だ。気にすんなよ、アハハハ……」
苦笑いしながら何とか笑い声を上げる。
そんな俺を火野川は心配そうな顔で見つめていた。
俺は席から立ち上がりおぼんを持ち上げる。
「悪い火野川、俺今日は遅れて行くな」
「え、遅れてって?」
「遅れて行くだけだ、ちゃんと行くから心配すんなよ」
俺は火野川にそう言うとカウンターへおぼんを返しに向かう。
そしてそのままエンタランスへと移動した。
エレベーターに乗り込み、自身の部屋に向かう。
本当は学校に行くって気分じゃないんだけどな。
そんな事を思っている間にも、エレベーターは六階に到着。
扉が開き、廊下に出ようとした時だった。
「あれ、護さん?」
開いた瞬間、目の前には見慣れた女子生徒の姿。
黒髪ショートカット、右手には学生鞄を持っている。
「どうしたんですか? 忘れ物ですか?」
「あぁ、ちょっとな……」
エレナの横を通り過ぎ、自身の部屋に向かう。
その途中、602号室に再び顔を向ける。
青いランプが点いていて中に人が居る事を表している。
「あの、護さん」
と、背中の方からエレナの声が聞こえる。
俺は顔を後ろに視線を送る。
「どうした」
「その、一緒に学院まで行きませんか?」
「悪い、俺今日は遅れて行くからさ」
俺はそう答えると、自分の部屋に逃げるように入った。
/続く