「あ、着きました~」
テンションが戻ったのか、エレナが明るい声を上げる。
気が付けば渡り廊下を通り過ぎていた。
目の前には城の門を連想させる茶色の扉。
第三校舎と扉に掛けられた看板に書かれている。
エレナはドアノブを掴むと、グイっと扉を開ける。
「ここが第三校舎になります~」
ニコニコしながら小走りで先に進むエレナ。
私はそんな彼女に黙ってついて行く。
と、廊下を歩く途中、変わった扉が視界に入る。
やたらと大きな紙が貼り付けてある。
よく見ると、そこには「二次元同盟部」とマジックペンで書かれていた。
「ライトさん? どうかしましたか」
ボウっとその扉を眺めている私にエレナが声を掛ける。
「いや、この部屋が少し気になってな」
私がそう呟くとエレナも同じ方向へ視線を向ける。
「 そ、そこには入ってはいけませんよ!」
その扉を見るなり、エレナはそう声を上げた。
どこか慌てた様子で私の腕を掴み、強引にその扉から遠ざけようとする。
「何だよ、何かあの部屋にあるのか?」
「いえ! 何もありませんよ!? 何もない面白味のないつまんない部屋です! 触らぬ神に祟り無し! 他の部屋を見た方が何千倍面白いですから!」
「何も無い部屋なら、別に入っても問題ないだろ? それに少し休みたい」
正直、学院の部屋を見たところで私には何の得も無いのだ。
それに無駄に長い渡り廊下を通ってきて、少し疲れてもいる。
部室のようだが今はまだ授業中。
生徒達もまだ来ないだろう。
私は腕を掴むエレナを引きずりながら部室へと向かう。
「だぁぁぁ! ライトさんは入るなって言われたら入りたくなる習性の持ち主なんですか!? それにまだそんなに歩いてないじゃないですかぁ~!」
「何でそんなに慌ててるんだ、やっぱり何かあるのか?」
「いえ! 無いです何も!」
「なら良いよな?」
ズルズルとエレナを引きずり、部室の扉のドアノブを回す。
そして入ってきた光景に私はしばらく何も言えなかった。
「……」
壁のあちらこちらには二次元キャラのポスターが何枚も貼られている。
/続く