第一章 復讐者 47 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「貴方が……そうですか」

何か分かったようにエリーカは首を小さく縦に振った。

そしてそのまま私を横切りエントランスへと向かっていく。

私は顔をエントランスに向かう彼女の背中へと向ける。

油断も隙もその背中からは感じられなかった。

「私がここに来た理由が聞きたいかな?」

と、私と同じくエリーカの背中を見つめるエリックがボソッとそう呟く。

私は彼の方へ視線を戻しギロっと睨みつける。

「別に興味ないけど」

「寮官である井上明子に呼ばれて来たのだよ」

井上明子?

寮官って事はあの婆さんの名前だろうか。

そういえば名前聞いていなかったっけ。

「何でも『アンタが寄こした娘について話がある』との事だったが?」

疑う様な視線を私に向けるエリック。

コイツは私が何かしでかしたとでも思っているのだろうか。

「言っとくけど、何もしてないからな」

「分かっているさ。おおかたの予想はついているの」

「何だよそれ」

「気にするな。それよりどこかに出かける様子だったが?」

エリックは微笑みながらそんな事を聞いてきた。

「あぁ、見学もかねて散歩と思ってな」

「なら、魔術騎士団員教育学院にでも行ってみてはどうだ?我々が経営しているのは君とて知っているだろ。一度は見ておく事をオススメするが?」

言って、SDカードを差し出される。

「何だそれ?」

「ここに学院までの経路などに関する情報が入っている。実はここに来たのはこれを渡す為でもあったのだよ。道が分からないと何かと不便だろ。君に渡した携帯に差し込める様になっている」

コイツはコイツなりに私に配慮はしているらしい。

実を言えば散歩するにもどうしたら良いか分からなかったからな。

これはこれで助かる。

エリックからSDカードを受け取り、早速携帯に差し込んだ。

そして、画面に現れたのは――。

「げ……」

携帯の画面を見つめながらそんな声を上げる。

あげたくもなる、こんな画像が急に表示されたら。



/続く



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