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悪の組織活動議事録

ポケモン夢小説を書いています。
主に、ロケット団や他の悪の組織を中心にしております。
ベースはゲームのシナリオ(うろ覚え)ですが、アニメの影響(うろ覚え)をかなり受けています。
書きためたものを月・水・金の0時00分に更新されるようになっています。

「先輩。本部から」

 浅瀬の洞穴でメガエネルギーの調査をしていると、後ろから後輩であるA508が肩をつつき、平たい液晶パネルを見せる。

 これは、アクアパッドというアクア団間での通信を行う機械だ。

「なになに? アクア団が、南の孤島へ向かった?」

「我々に出動命令」

「ココからじゃ少し遠いな」

「大丈夫、ここまで来るのに乗って来たアレを使えば良いんです」

 後輩は浅瀬の洞穴出口付近を指さす。出口付近の海に浮かぶ鋭い青い板状のモノ。アレは、過去にマグマ団が潜水艦を奪い改造した時のデータを元に、アクア団が作りだしたミニ潜水艦。

 その名も【サメハメカ】

 サメハダーの形をかたどった潜水艦であり、潜れる深度は浅いもののすさまじいスピードが出せる。

「そうだな。それじゃぁ、南の孤島へ急ごう」

「まだ、メガ石は見つかってない。良いの?」

「無問題、ノープログレム」

 散策作業を中断して、サメハメカに乗りこむ。

 二人乗り用ではあるが、とにかく狭い。改良が必要な点は多くあるようだ。

   ☆

 しばらく海の中を進み、後輩があの島だという場所へ上陸した。

 人の気配も、ポケモンの気配もしない。うっそうと生い茂る草木の中をうろきょろしながら歩を進める。

「なんだ、ここ」

「ポケモンが多いホウエンなのに、ポケモンが居ないなんて」

「む、奥から声が聞こえた!」

「え?」

 俺は、歩くスピードを上げる。確かに森の奥から声が聞こえたのだ。それが、ポケモンの鳴き声だったのか、人間の声だったかは定かではない。

 木々の並ぶ道を抜けると、明るく開けた場所に出た。そして、そこにいたのは、赤いポケモンと青いポケモン、そしてフードをかぶったマグマ団だった。

「マグマ団!!」

「むむ、お前等は、アクア団! だが、ちょいと遅い御登場だ。ほれ、この通りこいつらのメガストンはいただいたのだ!!」

 そう言いメガストンを二つ見せびらかすのは、マグマ団の団員、にぃさんことM223だ。

 かつて我々アクア団がマグマ団と対立していたときにも、欲張り合っていた。

「ラティオスにラティアス……あの二匹もメガシンカ出来るのか」

「それじゃぁ、俺等はこの辺で失礼するぜ」

「待て! それを置いて行け。さもなくば、力づくで奪うのみだ!!」

「あ~あ、めんどくせぇ。せっかく邪魔なくスムーズに、ミッションがコンプリートできそうだったのに!!」

 にぃさんは腰に付けるモンスターボールを取る。対してこちらも、後輩と共にボールを手にした。

 相手はにぃさんしかいない。相方であるねこたんことM222が居ないことに不信感を抱きながらも、俺はボールを投げ、ボールからベトベターを繰り出した。

 隣にいる後輩はタッツーを繰り出す。

 相手、にぃさんはドガースとバクーダを同時に繰り出す。

「我等アクア団に炎地面タイプのバクーダとは舐められたモノだ」

「ふん、水タイプ、タッツーだけだろうが」

「先輩、上!」

 いざバトルを始めようという時に、俺等を黒い影が覆い包んだ。俺は、後輩が言うように上を見上げる。

 すると、そこには巨大な気球が浮いていた。

「な、なんだ、ありゃ」

 なんだかんだと思った矢先、その気球から何やら変な機械が発射され、ラティ達に向かう。その機械がラティオスの隣へ落下した瞬間、機械から電磁波が放たれ、それが檻となりラティ達を包んだ。

「にぃさん! 遅いよ!」

「おー、悪い。邪魔が入ってな。ていうか、こいつらは捕まえる必要があるのか?」

「一応、ね。おまけよおまけ」

 と、頭上から聞こえる声と会話をするにぃさん。どうやら、あの気球にはねこたんが乗っているようだ。

「く、メガ石のみならず」

「先輩。早く奴等を止めよう。タッツー、水鉄砲!!」

「あぁ、そうだな。べトベター嫌な音!!」

 相手が会話に気を取られている隙に攻撃を仕掛ける。

 しかし、にぃさんに隙なんてなかった。
 
 むしろ、隙があったのは我々の方だ。命令を下し、その通りにしたがうべきポケモンが、言うことを聞かずに動かない。

「どうした!」

 いや、動かないのではない。動けないのだ。

 気がつけば、我々のポケモン二匹は目を回して気を失っていた。

「そんな!?」

 まさか、上を見上げたあの一瞬で!? しかし、いや、そんな馬鹿な。

「おいおい、天下のマグマ団様が、正々堂々二対二で戦うと思うか?」

 そう言い、にぃさんは自身の肩にクロバットを乗せ言った。

「伏兵か!?」

「くっ、予想外。想像力が足りなかった」

「そんじゃま、今度こそ帰らせてもらいぜ」

「先輩、ドロンされる」

 させるか! と腰に付ける、もう一つのボールを投げる。

「ポッチ!」

 ボールから飛び出すのはポッチことグラエナ。

 グラエナはボールから出るなり、相手を威嚇する。

「くっ、まだいやがったか。ドーガス、体当たり!!」

「ポッチ、かわして炎の牙!!」

「バカ、先輩。毒ガスポケモンのドガースに炎タイプの技なんか使ったら」

「使ったら?」

「想像力が足りないよ!!」

「爆発するぞ!! ねこたん、退避しろ!!」

 グラエナの炎の牙が、毒ガスを纏った、というよりガスの塊であるドーガスに直撃する。その瞬間、ガスに引火、カッと眩しい光が射す。

 そして、怒号と共に激しい爆発を引き起こした。

「「「うわっぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 爆風が襲いかかり、着けていたバンダナが飛ばされる。

 上空の気球も風にあおられ、バランスを崩す。ガシャンという爆発とは別の音が聞こえたが、それはおそらく檻が壊れた音だろう。

 爆発が収まり、その場に黒い煙が蔓延する。

「こ、後輩、無事か?」

「え、えぇ……はい」

 後輩の無事を確認し、ボールから煙の中に向けて赤外線を飛ばす。どこにグラエナがいるかわからないので、いたるところに赤外線を向ける。

 そして、なんとかグラエナを手内に戻す。下手な鉄砲も数打てば当たる。

「マグマ団は!?」

 黒煙が晴れるのを待つ。

 そして、黒煙が晴れた時、そこにマグマ団の姿は無く、あるのはダメージを負ったラティオス、ラティアスだけだった。

「くそ、逃げられたか。後輩は、本部に連絡を。俺は、こいつら傷を」

「わかりました」

 俺はラティに近づき、ポケットから取り出した傷薬を吹きかける。

 くそ、マグマ団め。むげんポケモンのメガエネルギーを持って行きやがった。これで奴等の方が、一歩近づいたわけか。

 奴等の思い通りにしてたまるか……。

   ☆

 歴史は繰り返される。

 人々は、歴史を繰り返さぬように、文字で、絵で、歴史を書き残してきた。

 絵は次第にアンノーン文字へ進化し、アンノーン文字はその姿を変えた現代文字と音を表す点字とに分裂した。

 そう古くない点字を扱う遺跡が、ホウエンには存在する。そこに記されるのは、人間がなにかに怯えている様子。そのなにかとはなんなのか。

 なぜ、洞窟の中に記されているのか。

 日照りを防ぐため、嵐を防ぐためではないのか? 

 なにを、恐れていたのか。

 日照りを起こすポケモン、嵐を起こすポケモンではないのか?

 人々はいたるところにその恐怖を刻んでいる。ただ、我々現代の人間がそれに気付いていないだけで、それはすぐそこにある。

 例えば、昔遊んだ秘密基地。なぜ、ホウエンには秘密基地を作りやすい場所が沢山あるのか、考えたことはないか。

 私は、その場所も、かつて人間の避難場所だったのだと思う。外に出ては日照りに、嵐に巻き込まれる。人工物では防げない、脅威から逃げるために誰もわからない場所に穴を掘り、身を隠したのではないか。

 人々は、その穴を作った時にはもう、忘れてしまっているのだ。

 人々は、秘密基地を作った時にはもう、忘れてしまっているのだ。