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東日本大地震で被災された方々に、
心よりお見舞い申し上げます。
1日も早い復興を、
そして、1日も早く、
1人でも多くの笑顔が戻る日を願っています。
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3月11日の大地震の日から2ヶ月。
カレー屋は、
お客様の安全、
スタッフの安全を第一に、
地震後も営業を継続していました。
計画停電、
食材の仕入れ難、
客層の変化…、
あらゆることで、
レストランを続けられないかもしれない…
予測できない日々に戸惑いながらの営業でした。
しかし、
何より一番残念だったのは、
インド人スタッフの中に帰国を選んだ者がいたこと。
今回の地震の怖さに、
津波の怖さに、
原発の恐ろしさに、
そして、知り合いのカレー屋さんやスパイス輸入会社の方々が次々と一時帰国をする中、
心配する家族の待つインドへ一刻も早く帰国したくなることは致し方ないことだと思います。
しかし、そんな仲間が次々にインドへ帰国していく中、
日本に残ることを選択したインド人スタッフの、
『ここのカレー屋を守りたい』
その気持ちに支えられ、
スタッフ不足の中でもカレー屋はなんとか地震前と変わらずに営業を続けらました。
地震前と変わらずにここにカレー屋があること。
普段のカレー屋の1日がそこに有り続けること。
そんな1日を大切に、
今は残ったスタッフと力を合わせてカレー屋でお客様をお待ちしています。
しかし、実際は、私自身もカレー屋を辞めようかと悩んでいたこの2ヶ月…。
私の住む家は地震の影響で傾いてしまい、
全壊は免れたものの、り災証明にはその一歩手前の大規模半壊の文字が刻まれました。
ガス復旧に1週間、
上下水道は地震から1ヶ月たって借復旧。
家の安全確認が取れるまでは、
両親は1ヶ月間はホテル避難をしていましたが、
私はペットの世話のために、
ガス・水道が止まり時折計画停電の不便さも加わる傾いた家でなんとか生活を続けました。
自衛隊の給水車にも並んだ日々…。
ライフラインの大切さを痛感した日々でもありました。
カレー屋の普段通りを装う接客業の日常と、
実生活の不便で不安な非日常に挟まれ、
心のバランスをとる難しさにくじけそうになることもしばしば。
でも、
私は“何も失っていない”
自分にそんなことを言い聞かせながら、毎日を過ごしていました。
そんな私に、カレー屋の料理人が気づいてなのか、
賄いのナンはいつしか『ハート』の形に焼かれて毎回出されるようになっていました。
料理人の“smile!”の言葉付きです。
やっぱり、ここのカレー屋は、
ここに有り続けなくちゃ~私も困ります!
毎日変わらずに、
ここに有り続けること…
私もその仲間でいられることに幸せを感じ、
今もカレー屋で仕事を続けています。
自分自身に強くなる必要も、
精神的に頑張る必要もありません。
優しい人々の眼差しに囲まれ、支えられ、助け合いながら、
前を向いて1日を大切に歩むだけです。
カレー屋の中で生まれた笑顔が、
お客様一人一人に広がることを願って、私は料理人の作った賄いのハートのナンを今日も美味しくいただきます。


