北陸新幹線や上野東京ラインの開業と

話題が豊富な2015年3月のJR東日本のダイヤ改正。

https://www.jreast.co.jp/press/2014/20141222.pdf


その中で地味に発表されたのは

京浜東北線の快速停車駅の変更です。


変更内容は次の2つ。
・新たに神田駅に停車。

・土休日に限り、御徒町駅に停車。


神田駅はJR中央線が停まるので自社線の、

乗り換え利便性を考えると仕方がないとして、
御徒町駅は買い物客のために停車すると言われています。


※停車化する理由について捕捉すると、上野東京ラインが上野駅-東京駅間でノンストップのため、

当区間の快速の役割を上野東京ラインに譲ったというところが直接的な理由と思われます。

(2015年3月22日追記)


ここでちょっとだけ御徒町駅を紹介します。

そもそも「なんて読むの?」という人もいるかもしれませんが、

「おかちまち」と読みます。

御徒町駅は上野駅と秋葉原の間にある駅で

アメ横や上野松坂屋をはじめとする都内有数の商業地です。

土日祝日は買い物客で賑わいます。

ここまで聞くと、

それなら快速停めていいじゃないと思う方もいるかもしれませんが、

私は疑問に感じています。

その理由はずばり乗客数の少なさです。


御徒町駅は閑古鳥?

御徒町駅の日中の乗車人員は1日あたり67,593人(2013年)。

これは京浜東北線と山手線が並走する田端駅―品川駅間の15駅の中で

下から数えて3番目。

つまり、御徒町駅はこの界隈では閑古鳥な駅なのです。


それを、いくら買い物の街とはいえ、土日祝日のみとはいえ、

快速駅を停車させるほどのことなのか。


私は御徒町以外で京浜東北線快速を停めるべき駅があると思います。

それは有楽町駅です。


本当の候補は有楽町?

有楽町はご存知の通り銀座の玄関口。

土日の人の出も当然多く、その賑わいは御徒町駅の比ではありません。


具体的な乗車人数を確認すると、

有楽町駅の乗車人数は1日あたり167,365人(2013年)で、

田端駅―品川駅間の15駅の中では

6番目に多く、しかもJR線が山手線と京浜東北線しか停まらない駅の中では

最多です。(上位5駅は東京、品川、新橋、秋葉原、上野)


決して御徒町駅界隈の商業地区を否定しているわけではありません。

ただ、休みの日に有楽町に買い物に行く人と、御徒町に買い物に行く人ですと

前者の方が多いことは誰の感覚としても明らかです。


鉄道は公共交通機関。

数の論理に則り、つまりより多くの人の

利便性を高めることを考慮してダイヤを設定するべきです。

その観点からいうと

有楽町に快速を停車させるべきではないでしょうか?


上野東京ラインの開業で、

上野―品川間は京浜東北線と上野東京ラインで

2種類の優等列車が走ることになります。

京浜東北線の展開が今後も楽しみです。


京浜東北線

【京浜東北線。快速は今後どうなる?】



おまけ:他にもある!買い物客のための優等列車停車駅

ちなみに買い物客を考慮して、

優等列車を停車したのではないかと思われる列車は他にもあります。

ちょっと紹介します。


①東京メトロ副都心線の明治神宮前駅
都内有数の買い物タウン、原宿。
副都心線開業時は各駅停車のみだったのですが、

2010年のダイヤ改正で土日祝日のみ急行が停車するようになりました。
ちなみにこの時に駅名表記を「明治神宮前駅」から「明治神宮前(原宿)駅」に変更しています。
原宿にも行ける副都心線のアピールとダイヤ改正の合わせ技。

東京メトロの熱い思いが感じ取れます。


この改正により、土日祝日の日中帯の副都心線の1時間あたりの運行本数は

10本から14本に大幅に増えるので、

山手線から乗客を奪う目的としては

一定の効果があったのではないでしょうか。

埼京線も停まらないですし。

②東急田園都市線の南町田駅
東急田園都市線の南町田駅。
こちらは2006年のダイヤ改正で、

土日祝日限定の急行停車駅に格上げされています。

また2014年には準急も停車するようになりました。


南町田駅は渋谷から急行で約35分のベッドタウンで、
こちらは原宿と比べるとだいぶマイナーですが、

駅前には「クランベリーモール」という

東急電鉄と同じ東急グループが運営するアウトレットモールがあります。

無論、ここの売上増加が狙いでしょう。

自社の商業部門の売上を増やすためにダイヤも変える。

鉄道運営と街づくりを一体として行う東急ならではの強みと言えるケースでしょう。


鉄道のダイヤと人の流れは表裏一体ですね。