真夏の夜中に

花火を買った

細くて長い

線香花火

蝋燭の柄に

火を掲げて

花火をかざす

しおれた紙を


他にはできない

真似もできない

こんな花火に

わたしはなりたかった


追いかけられる人になりたい

はかなく光る人になりたい

思い出に残る光になりたい

暗闇に光る希望になりたい




火花は変わる

火の玉に変わる

次はどんな

光に変わるの?

そんな事を

呟きながら

火の玉を見てたら落ちて消えた




消えても良いから光ってみたい

光りたくても放てない

そんな自分を知ってるから

誰かに願う光になりたい


出来れば光が放てるように

生きてることを求められるように

夜を照らせる光になるよに

あなたにとっての私になるよに




願っていれば叶うものなら

1万年でも願ってやると

涙を流して家路へ向かう

私の涙が月に輝く


私の最初で最後の光

誰にも見られなく

誰かに求められる事もなく

ただ落ちて消える


使われない時の線香花火のように

ただ落ちて消える


ただ落ちて消える



僕がこの高校に入ったのには理由がある。

中学校の時に初めてツアーレコードに入った5月、少しクーラーを利かせたひんやりとした店内に、BGMでうるさいギターの音がわなないていた。その時僕は一人で入ったのだが、あまりのうるささに腹にパンチを受けていたような気分になっていた。



ともあれ、ここは色んな意味で刺激が多い場所だなと感じたのは、僕の気のせいではなかっただろう。

世界中の音楽に洋書、多種多様なファッション、カルチャー誌や写真集、映画。

僕の見ていた世界と少し違っていたものが、そこにはあった。


色んなものに刺激を受け、頭がくらくらしていた時、店内のアナウンス放送が鳴り響いた。

「16:30より店内ライブを始めます、もしお暇な方がいたら5Fのライブコーナーまで是非遊びに来て下さい」

ライブか。

そんなものには当然行ったこともなく、門限もあり興味のないふりをしていた。だがもう僕は中学3年生。少しどんなものかと背伸びをして行ってみた。


人が少し集まってきた。僕と同じか少し上かぐらいの人たちがなんでかみんな変なグラフィックをしたTシャツを着ていて、音楽の話で盛り上がっている。


「あのバンドの新しいアルバム聴いたー?」


「あの2NDの3つ目のトラックがさあ」


みんな何を言っているんだろう。


別の緊張が僕に襲いかかる。初めてという緊張。知るという緊張。


いつのまにか時間になって、急に周りが騒ぎだした。



ぬるっと扉から出てきたのは、ギターを抱えた華奢な女の子と、もう一人ギターを抱えた男の子、小太鼓とシンバルを持ってきた女の子だった。どれも僕と同世代か少し上か。どちらにせよ、このフロアはティーンエイジャーでわんさかあふれていた。


軽く会釈をしてはにかみながら、その女の子達は用意されていた椅子に座り、すぅっと深呼吸をして、指をギターの糸のところに押さえつけ、優しくかきならす。


その優しい緊張はみんなにも伝わり、その女の子が歌うのを待つ。



「こんにちは、Aquaです。聴きにきてくれてありがとう。みんなも音楽、好きですか?良かったら、私たちの歌を聴いてすこしでも優しい気持ちになってって下さい。」


「青空」



青い澄んだ空の色を絵の具でどう表せるだろう


絵なんてそんな描かないけど


今日見た青いそらを瞼に入れるには綺麗すぎて


何かに残したくて


おんなじ空を見ている人がどれくらいいるだろう


おんなじ気持ちになっている人がどれぐらいいるだろう


おんなじ空を見せてあげれば楽しいだろう


でも空を作るには少し目の色が足りなくて



次もし一緒に見れる人がいたら見せてあげれるかな


優しくなれるかな


あの日みた空が私たちの心を繋げられるなら


何度だって


あの色を探そう




「ありがとう」



綺麗なアコースティックギターとエレキギターの相性がよくて

小太鼓とシンバルのリズムが優しくて


気付いたら僕は泣いていた。

こんな音があったなんて。

知りたくなった。もっと聴きたくなった。



彼女は目が大きくてすこしたれ目だった。やさしくはにかむと少し垂れた目がとても可愛かった。

髪はもしゃもしゃしてて、少し癖のあるうねったミドルヘアー。



ライブが終わって僕は気付かないうちにその女の子に近づいた。


「あ、あの!!」


「ん、なーに?」


「歌、すごくステキでした。ありがとうございました。」


「生まれて初めてギターが格好良くみえました。」


などと口が勝手に動くさなか、


「いやあ、ありがとうねえ。でもちょっとここで喋るには喋りすぎだね。」


「君、2中の生徒でしょ。わたしも2中だったからすぐ見えたよ。」


「学校行こうか、楽器も置きたいし」


なぜか僕は3人と2中に行った。もう門限なのに・・・でも、まだこの人たちといたいな。こんな気持ち初めてだ。


色んなことを聞いた。バンドのこと、音楽のこと、ギターのこと、先輩のこと。



いつの間にか時間は経ち、親から電話が鳴り響いていた。帰ったらビンタだな・・・そんなことを言っていると、その女の子にゲラゲラ笑われた。ちくしょう。


「君、面白いね。良かったらメアド交換しようよ。オナチューのよしみだしさ。」


そういうと彼女はメアドと番号をさらさら書いて、僕に渡した。


「ライブとか音楽とか興味出たら連絡ちょうだいね。音楽楽しいよ~。」

おっとりした口調で彼女はこう言った。


「バンドAquaのギターヴォーカル、宮野 優です。君の1こ上だね。今は高瀬高校にいるよ。よろしく~。」


ただ天然なのか、それとも何かをしたいのか、僕には分らなかった。ただひとつだけ思ったことは、このライブに参加できてよかったってことと、もう一度この人の声が聞きたいと思ったこと。


この不思議なドキドキが、僕の1年をかえていった。

僕はなぜか高瀬高校に行こうと決めた。






続く?

時間を超えて今きみは一人飛ぶ

羽を休めた時もあろうが

無くしたものが大きかろうが

生きようとする君は美しい


何年かして私はどんな人になってんだろうって

5歳の私は考えた

ちっさな頭のなかにある

宇宙はまだまだ伸びていく


何年かして私はどんな人になってんだろうって

20歳の私は考えた

でっかいからだに染み込んだ

ちっさな世界は崩れてく



15年の間にあった

空白の時間は何をしてたか

大事な何かは少しは得たか

無くしたものを取り返せるか



時間を超えて今きみは一人飛ぶ

羽を休めた時もあろうが

無くしたものが大きかろうが

生きようとする君は美しい


新しい自分になるなんてそんな大人は実はいなくて

足がちぎれても羽がもげても高くまう


世界が狭いことを知って

宇宙はそんな私を笑って

自分で世界を狭めてるって

最後の最後ではにかんで



その時、目を閉じよう

その時、分かるだろう

自分の荷物の多さを

抱えた自分の美しさを


時間を超えて今きみは一人飛ぶ

羽を休めた時もあろうが

無くしたものが大きかろうが

生きようとする君は美しい



君は輝く

君は羽ばたく

強く美しく

儚く生きる

君が夢にいた

君のそばにいた

手をのばしたら目が覚めた

そんななんてことない話



夢の途中にいた

走り抜けた

前足を出したら目が覚めた

そんななんてことない話



足掻いてみた

無駄骨だった

でもまだここにいた

そんななんてことない話



才能を見た

まぶしすぎた

見たら目がつぶれた

そんななんてことない話



よくある話

よくある話

なんてことない

なんてことないことないだろ



亡骸の上に

私はたってるのに

まだ目先は

上の山を目指して




せめて一つだけでも

手に入れたくて

手を伸ばしたら

現実(ゆめ)から目が覚めた



思い出を語った

思いだけまだあった

まだ追いかけてる

そんななんてことない話


次生まれる時

記憶があったら

また追いかけるよ

そんななんてことない話




うじうじした私のはなし


今日も引きずって歩く


めそめそした私の話




霧がかった空に真っ青な絵の具をぶつけてやろう

君のこころはどこかはれやかになるだろう


グレーを貫き通す馬鹿どもに真っ黒な事実をぶつけてやろう

白か黒にしかなれない手前を認めるだろう


イタチごっこはもう終わり

0から1を作ってやろう



何が欲しくて何がつらくて

僕は答えをさまよう

答えは近くにあった

君は答えた「居続けること」



真っ白なTシャツにマーブルのペンキをかけよう

かけた後それは君がいた証になるだろう


そのTシャツをどうペンキをかけたか考えよう

考えたものは君のやりたい事だっただろう?


そのTシャツを着ただけで

君はもうアートになるのさ



何かを表現したくて

僕は僕を生きることにした


僕が欲しくて僕を愛して

最後の1ピースを探す

答えは意外なとこにあった

「そんな自分を貫くこと」だと




理由のない理由で焦って

焦った自分を愛して

自分しか見えないだろう?


行きづまった時に思い出してくれ

今なにを望むのか

そのために何が欲しいか


その答えは


その答えは・・・



何が欲しくて何がつらくて

僕は答えをさまよう

答えは近くにあった

君は答えた「居続けること」


きみは何をしたい?

君は何ができる?

今この瞬間を

君はどうあらわすの?


今の一瞬を生きるエネルギーを

一瞬が続く永遠を積み木のように並べて

どれだけ楽しい音がでるのか

人生を最高に旅しよう