映画の予告のときから気になってた映画です。

死をテーマにここまで明るく描かれている映画も珍しいと思います。

映画「ヘブンズドア


この映画は、ヨーロッパ映画的な雰囲気の中にどっぷり漬かれるようになっています。

監督がヨーロッパの人なのも関係があると思います。

なんとなく荒い画の撮り方をしてみたり、展開に急激な緩急が合ったり、アンニュイな感じがしたり、思いっきり派手な演出をしてみたり、とにかく観てる側をほっといてる感がヨーロッパっぽい雰囲気を出しまくってます。


この物語は、好き放題を極めてきて急に余命3日を宣告された「勝人」と、不治の病でとうとう余命いくばくもなくなった少女「春海」と出会うことから始まります。

病院にいたので海を見たことがない「春海」に、「勝人」が海を見せるまでの大冒険といった趣向です。

その中で、後ろめたいお金を奪ったり、追われたりと色々とストーリーが回転していきます。

荒い映像が時折挟み込まれることで、この作品の空気感を迫り来る「死」の暗さから離して、きらきらしたまるで夢の中にいるようなものにしています。

ただし、逆により鮮明な映像で「死」の予感を見せ付けるところも忘れていません。

これをメリハリというより唐突に混ぜ合わせて混沌とさせることがこの作品の空気を作っているのだと思います。


「春海」を福田麻由子さんが演じているのですが、子役とは思えない演技力があります。

なんとなく、子役の演技は上手い人でも、舞台を観ているような感覚になります

しかし、「女王の教室」でも感じたのですが、福田麻由子さんだけは映像にはまる演技をしていると感じます。

ムダに大きすぎない演技ながら、様々な表情をちゃんと演じている、特に希望と絶望を混ぜ合わせたようなこの作品を自然に作品に入り込ませてくれる要因になっています。

もちろん、もう一人の主演の長瀬智也さんも持ち味の無骨な役を完璧に演じきっています。

脇を固めるのは、ベテラン役者さんなんですが、普段とは少し違った感じの役を演じていて、不自然ではないですが新鮮さを感じます。

こういった役者さんたちの演技が、この複雑な作品を見やすいものにしていると思いました。


「死」をテーマに明るく描かれていることは、「素敵な人生の見つけ方」に近いですが決定的に違うのは、どこか夢の中に入り込んだような少し現実離れした感じだと思います。

映画らしい映画を観たいときに観てみてください。