企業で働いたことがあるなら、ニヤッとしてしまうあるあるがつまった作品です。小説「これは経費で落ちません!」

この作品は、天々コーポレーションで働く仕事のできる経理部若手社員森若さんの周りで起こる色々な出来事が描かれた作品です。森若さんと同じ経理部の面々、太陽くんを始めとした営業部の面々、それ以外にも個性的なメンバーがそれぞれの仕事、恋愛、人生をよりよくするために色々な事件が起きます。それを伝票などから見つけて、なるべく放っておきたいと思いながら、森若さんが巻き込まれていきます。そして、持ち前の経理スキルを駆使して、解決していきます。日常に隠れているちょっとしたミステリー要素がこの作品をより楽しいものにしています。


とにかく主人公の森若さんのキャラクターが可愛い。仕事は、もらった分だけやれば良いというドライな姿勢なのにも関わらず、結局色んなことが気になって必要以上にやってしまう。プライベートでは、毎週のルーティーンを崩したくないからと、自分ルールを決めて程よく息抜きしながら生きてるものの、恋愛が絡むとそんなルーティーンも崩して彼氏との時間を大切にする。しかも、普段はクールな森若さんが彼氏にはとっても感情的になることとか可愛さ要素がたくさん詰まってます。もちろんいつも明るい森若さん大好きな太陽くん、頼れる寡黙な経理部の勇さん、同期で開発部のエースな美月など、森若さんの周りにもステキな人々が揃っていて、物語を盛り上げていきます。


色んな部署があって、色んな人がいて、それぞれの事情が相まって、ちょっとしたミステリー要素をもちつつ、日常が彩り豊かに描き出されます。そして、森若さんという魅力的な人物がステキに物語を作り上げていきます。そんな日常系の作品が好きな人には、たまらない作品になっています。

ガンダムらしいロボットアニメより戦争主体の骨太なアニメ作品です。「鉄血のオルフェンズ」


火星で労働する少年達が戦争で実績を上げ、成り上がっていく話です。人身売買により取引されるスペースデブリなど、貧困により悪い扱いを受ける子ども達が成長しながら社会での地位を上げていきます。アラヤシキ手術を何度も受け天才的な能力をもつパイロットのミカヅキや、少年達を統率するリーダーのオルガなど、魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。


戦争のストーリーなので、たくさんの命が失われていきます。歴代の、特に最近のガンダムシリーズでは、あまり見られないくらい戦争の悲惨さを映し出していきます。ガンダムらしく敵、味方ともに信念があり、それぞれの思惑で様々なストーリーが展開されることになります。


ロボットも少年達が成り上がるにつれて、資産をえて充実していき、技術との兼ね合いや社会的な背景により武器などの進化がリアルに描かれているとこも注目すべき点です。


久しぶりに初代ガンダムのようなしっかり戦争を描くロボットアニメです。とにかく骨太で強い作品になっています。

人の人生の終わりに向き合うことで、その人そのものが見えてくる。そんなヒューマンドラマ要素とミステリー要素を合わせもつ新感覚の医療ドラマです。ドラマ「アンナチュラル」


このドラマは、死因究明の専門機関であるUDIラボに運び込まれるご遺体の死因究明の過程を描くことで、メンバーの人間模様を描いていく作品です。主人公の三澄みこと先生は、一家心中の生き残りという過去をもつ法医学医です。三澄先生は、真摯にご遺体と向き合い、科学の力で真因に近づいていきます。その過程でも過去の出来事が陰を落としていきます。同じく法医学医の中堂さんも過去に禍根を残しており、そのことが行動に裏を感じさせます。


このドラマでは、人の感情にも寄り添いながら、あくまで科学的な検証に基づいて全ての事実を解き明かしていきます。その事実に基づいて関係者とUDIのメンバーそれぞれの思いから違った方法で関わっていくことで、物語は色々と展開していきます。キレイゴトで済まされないことも多いです。しかし、そのことがこの物語の深みになっていきます。そしてこれを演じる役者さんが、ゲスト含めてみんな演技の幅が広いメンバーが揃っているので、物語の深みやリアリティが増していきます。


人の死因と向き合うことで、人生の難しさやもどかしさ、そして美しさが描き出される作品です。

世の中の不条理ややるせなさが詰まった作品です。映画「空白」


タイトルが気になって観に行ったのですが、明らかにタイトルの意味が提示される作品ではありませんでした。でも、どことなく「空白」という単語を感じる内容になっています。社会に蔓延する小さな悪意、ちょっとしたすれ違い、どこか素直になれない人達…その結果生まれるものが「空白」だと感じました。


この物語は、引っ込み思案な中学生が万引きでつかまり、追いかけられた末に車に2度轢かれ死亡するという痛ましい事故から始まります。娘が万引きしたことを信じられず、娘を追いかけたスーパーの店長、娘の学校などに、脅迫めいたクレームをつけて事実を知ろうとします。一方追いかけたスーパーの店長は、責任を感じ、傷付きながらも周りに頼れる相手を見つけられずにいます。マスコミの悪意ある報道によって捻じ曲げられた言葉が、社会の悪意を増長させ、二人の悪人を作り上げていきます。そして、善意を振りかざす人々が、より一層2人を追い込んでいきます。


どこまでも昭和なおじさんである父親を古田新太、どこまでも現代っ子なスーパーの店長を松坂桃李が演じ、下手をすると特殊な人のように見えかねない二人の主人公にリアリティを与えています。とにかくどこまでも強情で真っ直ぐで不器用な父親。気弱で無気力で冷静に自分を見つめるスーパーの店長。どこにでもいるような二人を1つの事故が、捻じ曲げていきます。


最後まで観ても、どこかスッキリとしない虚しさや苦しさが残る作品になっています。すごく社会の深いところを考えさせる作品になっています。

タイトルを見て、どんなヤバい話なんだろうと思って観た自分の精神の汚さを思い知らされました…。見たあとに、心が洗われるそんな作品です。アニメ「髭を剃るそして女子高生を拾う」


この物語は、失恋したばかりのサラリーマンの吉田がタイトル通り道で座り込んでる女子高生のさゆを拾うとこから始まります。吉田はさゆを家に連れ帰ると、家事をやるのを条件に家に置くことになります。さゆは、幾度となく誘惑をしますが、吉田は突っぱね続けます。この吉田がとにかく真面目で人に優しい聖人みたいな人間です。かわいい女子高生から誘惑されて、相手のことをおもってそれを受け入れないことからも分かると思います。この吉田の優しさが、傷ついたさゆの心を癒やしていき、少しずつさゆは自らの傷を語りだします。吉田の周りの大人達、さゆの周りの大人達、新たな出会いによって、物語は温かみをまして進んでいきます。


恋愛ストーリーではあるものの、吉田とさゆの間にあるのは終始人と人と、子供と大人の関係を保ち続けます。さゆの傷付いた心を大人として向き合わなければいけないことが影響しているのだと思います。真面目な吉田にとって、女子高生との恋愛というのが踏み切れないラインだったのもあります。吉田の行動から大人はこうあるべきというメッセージが伝わってきます。そんな吉田も上手くできず思い悩みながら、成長をしていきます。


タイトルから感じるいかがわしさとは真逆の美しく、こんな出会いをしてみたいなと思わされる作品です。