昔は途中で挫折したけど、今なら最後まで観れました。

映画「dolls」


とにかく、難解な映画です。

北野映画らしく人も死ぬし、時間もゆっくり流れる。

でも、それだけではない。

二人が歩く先にいろんな人間模様がある。

その二人にも、歩きながら長い時間が現れてくる。

そして、これが全て。

北野武の複雑さを一挙に入れた感じになってます。


そして、初期の北野映画といえば『色』。

北野ブルーやdollsでは北野レッドと言われた。

これは、中国のチャン・イーモウも敬愛したと言われている。

でも、決定的な違いがあるのは、北野映画の色は自然の色なこと。

ブルーは空、レッドは紅葉。

他にも、雪のホワイト、木々のグリーン、桜のピンク。

この作品では、四季の移り変わりも表現されるから、それがとても強く表現される。

その中に、人が溶け込んで行ったり、人工物が入り込む。

それが、北野映画の色だと思う。


この作品は、最後までなんとなくモヤモヤが残る。

これは、きっと良い日本映画では良くあることなのだと思う。

良い日本映画は、人間をそのまま描き出す。

それが得意だから。

でも、そのまま描き出される人間は、全てすっきりさせられるほど単純じゃない。

だから、日本の映画はすっきりしないのだと思う。


人形浄瑠璃にもなぞられているのかもしれないけれど、演目とか知らないので分からない。

でも、四季の移り変わりによる色、時の流れ、人間、それが混ざり合う映画です。

難解だし、観る人に優しくない、観終わっても良く分からない部分もある、そんな映画です。

でも、一度観てみると、何かを感じれる映画になっていると思います。