今回の「YouTube 良いものだけを世界から」は、”ゴールドマン・バンド”によるスーザ行進曲集だ。

スーザ没後、”スーザ・バンド”から5名が”ゴールドマン・バンド”に移った。

その5名がスーザの演奏スタイル、テンポや抑揚などまでアドバイスして作ったのがこのレコードだ。

いわば、スーザの演奏をそのまま再現した、スーザ直系の規範とも言える演奏がゴールドマン・バンドの演奏なのだ。

 

作曲家ヒンデミットがエール大学で教鞭をとっていたとき、しばしば「アメリカでもっとも偉大な作曲家は誰だと思うか?」と質問されたそうだ。

ヒンデミットはためらうことなく「スーザだ」と答えたという。あの憂鬱なヒンデミットがだ。

そういえば、ジャンルは異なるが、トルストイはシートン動物記の「カランポーの狼王 / 狼王ロボ」を絶賛していた。

 

ふと、梶井基次郎が思い浮かぶ。彼の憂鬱な思いを消し飛ばしたのは、生命のリアルな輝きそのものと言える「檸檬」だった。

ヒンデミットやトルストイにとって、切れば血が噴き出すような野性は、彼らにとっての檸檬だったのだろうか。

 

LPレコードでスーザ行進曲集 /ゴールドマン・バンド 全6曲

雷神 - The Thunderer (0:00)

ワシントン・ポスト - The Washington Post (2:39)

美中の美 - Fairest of The Fair (5:03)

海を越える握手 - Hands Across The Sea (8:26)

自由の鐘 - Liberty Bell (11:08)

星条旗よ永遠なれ - Stars and Stripes Forever (14:29)

 

 

スーザの時代、行進曲はダンス音楽としても用いられていた。レコード解説によると「ツー・ステップ」がそれだと書かれている。

1990年代から「2ステップ」が新しいダンス音楽として登場したそうだが、なんだか紛らわしい。1960年頃に出たレコードの解説に、すでに「ツー・ステップ」という名称が出てくるのだ。

 

「ツー・ステップ」が欧州に紹介された当時、そのダンス名称はなんと「ワシントン・ポスト」だったと、「最近の若い人は知らないかもしれませんが」の但し書き付きで書かれている。

いや、まったく知らなかった。なんだかいろいろと勉強する羽目になる。

 

なお、過去にご紹介済みだが、こちらがスーザ本人の指揮によるスーザ行進曲集だ。

録音は1920年代から1930年代にかけてのものだ。

 

SOUSA Conducts Sousa's Marches - スーザ指揮による"星条旗よ永遠なれ

星条旗よ永遠なれ - Stars and Stripes Forever (0:05)

美中の美 - Fairest of The Fair (3:13)

ワシントン・ポスト - Washington Post (6:14)

士官候補生 - High School Cadets (9:32)

海を越える握手 - Hands Across The Sea (11:55)