別路はこれや限のたびならむ更にいくべきここちこそせね

 

                修行に出でたつとて人のもとに遣わしける

                道命法師 新古今和歌集 巻第九 離別歌 (872)  


 

この旅路、ここで離別すれば、ふたたび会うこともないのだろう、── 異なる道を選ぶことになるのだから。

 

最後の旅になるのか、だが、── 旅路は果てることもなく。

── そんなことはわかっている、ただ、── しばらくここに佇んでいたいのだ。