雨の日
遠くの山々が靄の中に隠れてゆく。それを見つめている人も、雨の中に幽閉されてゆくのだろう。
予報では、この先さらに雨は強まるそうだ。
再会
別れと再会の間にある時間は、会話が始まった瞬間にキャンセルされてしまう。
雨の日の夕暮れ時
いつもは冴え冴えとしているはずの街の灯が、夕靄の淡いグレーの中に沈んでゆく。
「逢魔ヶ時」の、ひとつの姿。
コーヒー
最近、飲み過ぎている。それも、一番好きなマンデリン以外を。
疲労感
避けたいことが増え始め、わからないままのことがそのまま置き去りにされてしまう。
「ザ・ファブル II 」から:南勝久
ササキ(スズキ) 「ヨウコを助けるのは自分のプライドのためなんだよ ── 俺が俺であるための ── 」
後悔
後になって初めて湧くものではなく、最初からそうなるとわかっていて、なお選択した結果に向けられるギャンブル用語。
陽光
春先にまばらに植えられた小さな花々が押し合いへし合いを始めている。
ツール
人間と一体化したがっている物体。
それを実現してくれる者への礼は必ずあるのだが、それを見せようとはしない。
見せることに興味がないからだ。
歌
思いの数だけ歌がある。だがそれなら、そもそも数えられるようなものではない。
歌は生成するものの、明滅の姿なのだ。
