今回の「ヤング向け、胸ときめく映画音楽特集」は、”風と共に去りぬ”と”慕情”の聴き比べだ。

”風と共に去りぬ”が1939年(日本公開は1952年)、”慕情”が1955年と、古いアメリカ映画音楽だ。

曲想はいずれもどこか広々としたものを感じさせ、アメリカ映画音楽なんだなと納得させられる。

 

”風と共に去りぬ”が1939年の映画だということに驚く。テーマ音楽は1970年代に入っても「映画音楽名曲集」に取り上げられていたから、当時、すでに不滅のスタンダードナンバー扱いになっていたのだろう。

 

”風と共に去りぬ (Gone with the wind)”というタイトルもいい。

いまのようなダウンロード時代では考えられないが、サイズが大きなLPレコード時代には、ジャケットデザインに釣られて、中身は二の次で買う「ジャケ買い」というのがあった。

このタイトルなら、ジャケ買いならぬ「タイトル買い」もあったかもしれない。

 

LPレコードで ”風と共に去りぬ” 5種の演奏で聴き比べ

マントヴァーニ - Mantovani (0:00)

ステルヴィオ・チプリアーニ - Stelvio Cipriani (3:35)

モーリス・ルクレール - Maurice Leclerc (6:28)

アル・カイオラ - Al Caiola (9:30)

パーシー・フェイス - Percy Faith (11:54)

 

 

1955年の映画音楽”慕情”はカバーする奏者が多く、2本立てとなったが、これも名曲だと思う。

そもそも聴き比べができるのは、その曲をカバーする奏者が多かったからなのであって、名曲であること抜きに聴き比べなどできないのだ。

 

いまも名を残す奏者もあれば、すっかり忘れられてしまった奏者もある。

しかしレコードを出していたほどだから、当時としてはいずれもが一流どころだっただろう。

聴き比べると、一流の奏者たちがアレンジセンスや演奏技術を競い合っているようで、なかなか楽しいのだ。

 

LPレコードで ”慕情” 6種の演奏で聴き比べ

ビリー・ヴォーン - Billy Vaughn (0:00)

アンドレ・コステラネッツ - Andre Kostelanetz (2:48)

ニニ・ロッソ - Nini Rosso (4:35)

シー・バレンツ・オーケストラ - Sea Barents Orch. (7:23)

マントヴァーニ - Mantovani (10:44)

ムービーランド・オーケストラ - Movieland Orch. (14:34)

 

LPレコードで ”慕情” 5種の演奏で聴き比べ

モーリー・グレイ - Morry Grey (0:00)

モーリス・ルクレール - Maurice Leclerc (2:29)

ヘンリー・マンシーニ - Henry Mancini (5:21)

ハンス・リヒター - Hans Richter (7:52)

フランク・チャックスフィールド - Frank Chacksfield (10:18)