窓近き竹の葉すさぶ風の音にいとどみじかきうたたねの夢

 

               百首歌奉りし時

               式子内親王 新古今和歌集 夏歌 巻第三 (256)


 

窓からの、風が運ぶ竹の葉の、ざわめきを聞いて、── たったいままで、語らっていたことに気がつきました。

 

── 夢だったのでしょう、── ただ、高まり、静まるざわめきが、静かに歌い寄せているだけなのです。