夕立や膳最中の大書院

                  炭 太祇

 

大広間に集まる賓客たち、── 夏の夕暮れ時、── 今日は特別な日なのだ。

交わされる言葉は連なり、笑い声は広く重なり、夕餉のひと時は過ぎてゆく。

 

── 不意にやってきた夕立。── 雨神が騎馬に打ちまたがり、天空を駆け抜ける。

 

空は黒く掻き曇り、一瞬の閃光が、雲の形を浮かび上がらせる。

座の沈黙。── 重なり合い、満たされていた想いは、走る雨脚に洗い流されてゆく。