で、たて続けにYouTubeだ。今回はサイモンとガーファンクルの”サウンド・オブ・サイレンス”聴き比べだ。
この曲は映画にも使われたから、”映画音楽名曲集”などにもしばしば登場する。
5種ある内、5曲目がオリジナルヒットだが、1曲目、ポール・サイモンのソロバージョンがユニークだ。
サイモンとガーファンクルは1964年にデビューしたが、デビューアルバムは全くと言っていいほど売れなかった。
アメリカで認められなかったポール・サイモンは、失意の内にイギリスに渡った。
当時のミュージックシーンは、イギリス勢が席巻し始めていた。
「自分を認めようとしない、席巻される側」ではなく、「席巻しつつある側」の空気を吸いたかったのかもしれない。
その時期の作品、”簡単で散漫な演説”で、彼は「僕はローリング・ストーンやビートルに、なにも見えなくなるまで成り切ってた、僕はミック・ジャッガーになってたんだ」と歌っている。
ここでの1曲目はそんな時代、彼が無名だった1964年の録音だ。後半など静謐さよりも、圧し殺した感情が爆発しかけているようなものが感じられて、独特だ。
レコードの解説によると、”サウンド・オブ・サイレンス”は歌詞を完成させるのに、4か月を費やしたそうだ。
その後、1966年に、当時のプロデューサーが”サウンド・オブ・サイレンス”にエレキギターやドラムスを重ね、エコーを効かせたバージョン、つまりここでの5曲目を出したところ、世界レベルの大ヒットとなった。もちろん日本でもだ。
サイモンとガーファンクルは、まさに、朝起きたらスーパースターになっていたのだ。
ここでご紹介する5種は、「挫折しかけた、名も無き若者の作品」と「数ある演奏団体がカバーした、スーパースターの作品」が、時間軸をすっ飛ばして混在していることになるわけで、なんとも楽しい。
なお、5曲目はオリジナルアルバムも持っているのだが、ベスト盤「若き緑の日々」のジャケットデザインが好みなので、こちらを選んだ。(^^;
LPレコードで ”サウンド・オブ・サイレンス” 5種の演奏で聴き比べ
1. ポール・サイモン - Paul Simon (0:00)
2. カラヴェリ - Caravelli (3:09)
3. ジャック・ドーシー - Jack Dorsey (5:52)
4. ポール・モーリア - Paul Mauriat (9:26)
5. サイモンとガーファンクル - Simon and Garfunkel (12:30)