初夏の風吹く中、異形のエルフたちは語りかけてくる - 那珂市 茨城県植物園、きのこ博士館
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那珂市の”茨城県民の森”と、隣接する”きのこ博士館”をめぐった。暦の上ではすでに夏になっているのだが、初夏というよりも本格的に夏っぽい。
緑は爆発的に拡大を続けてゆく。いまはまだ過渡期なのだ。
それらは画像として静止させたとしても、しかし、自分がそこにいてもいなくても拡大を続けているのであり、だからこそ、自分を含めた全体がそこにある。
日々増え続ける異形のエルフたちの語り掛けも、よりいっそう複雑化してゆく。
「ねえ、そこのヤング」
「呼んだ?」
「来たら僕に挨拶するよう言ってるよね?忘れたの?三歩、歩いちゃったの?」
「・・・、画像として静止させるのが挨拶なんだ」
「?、人間の知恵って底が浅いから面倒だよね。浅い、浅すぎる。聞いてる?」
「うるせえ」
人の領域と人外の領域の境界はどこにでもある。
全体が個に斟酌するわけはない。それでも自分は異界まで含めた全体の中にいる。
そこに風は止まることなく吹き、挨拶の言葉はいつでも交わされているのだ。