伝説の残る水辺の道に春風は吹き始める - 高萩市 花貫渓谷

 

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高萩市の花貫渓谷、名馬里ヶ淵に行った。

伝説の残る名馬里ヶ淵は、花貫渓谷の下流に位置する。上流方向が本格的な渓谷域となるのだが、名馬里ヶ淵をめぐるだけのことも多い。

 

名馬里ヶ淵伝説は、TVアニメ”日本昔話”にも出てきたらしい。

木に登って遊ぶ子馬を見て、村人は「この子馬は川の大蛇の子どもだ」と恐れ、川の淵に沈めてしまった。

その日の内に大嵐がやってきて、村が全滅してしまったという伝説だ。

 

北関東では”馬力神”と刻まれた石碑をあちこちで見かける。ほとんどの場合、石碑は見晴らしがよく日当たりのよい場所にある。

 

昔、馬は家族同様に扱われ、人間と同じ屋根の下に暮らしていた。馬が病気になると皆が心配し、死んでしまったときには悲しんで丁重に葬った。

”馬力神”の石碑は馬の墓標なのだ。

 

2月にしては気温が高い。子馬が沈められたとされる淵にも春風が吹き始めている。

川の大蛇とは龍神だろう。馬力神と龍神の属性を持つ子馬もまた、こんな日には春風の中にいるのだろう。