今回の「ヤングなお正月(もう終わりかけている)を、ナウなボサノヴァ音楽で」は、ルイス・ボンファによるボサノヴァ・ギター演奏のご紹介だ。

 

ブラジル音楽には、リオのカーニバルなどからホットなイメージを持ってしまうのだが、ボサノヴァのどこか脱力したような雰囲気も、独特の魅力を持っていると思う。

 

ルイス・ボンファは1950年代後半、同じブラジル人であるアントニオ・カルロス・ジョビンなどとともに、ボサノヴァ音楽の普及に注力した人として知られている。
彼の代表作が”黒いオルフェ”だ。ここでご紹介する「1.」はすべてルイス・ボンファの演奏によるものだ。
 
レコードの解説によると、この曲を大ヒットさせたのは作曲者であるルイス・ボンファではなく、ステルヴィオ・チプリアーニだったらしい。
「2.」では両者の演奏を含めた、”黒いオルフェ”6種の演奏を聴き比べている。
 
ふと、ロバート・マックスウェル作曲の”引き潮”を思い出してしまった。
曲想ではなくヒットした背景で、”引き潮”も大ヒットさせたのは作曲者本人ではなく、フランク・チャックスフィールドだった。
 
で、なんと「2.」の”黒いオルフェ”の聴き比べにも、フランク・チャックスフィールドとロバート・マックスウェルが入っていた。
意図したわけではなく、アップロード後に気がついた。
 
それならと、オマケとして「3.」の”引き潮”の聴き比べも、過去にご紹介しているのだが、今回もご紹介することにした。
名曲というものは、どのような演奏解釈にも耐えるのだと思う。

 

1.LPレコードでボサノヴァ・ギター ”黒いオルフェ” ”ムーン・リヴァー” 他 全5曲

黒いオルフェ - Black Orpheus / Manhã de Carnaval (0:00

モア - More (3:21

男と女 - A Man and A Woman (6:13

イエロー・バード - Yellow Bird (8:35

ムーン・リヴァー - Moon River (11:10)

 

2.LPレコードで ”黒いオルフェ” 6種の演奏で聴き比べ

ステルヴィオ・チプリアーニ - Stelvio Cipriani (0:00

ルイス・ボンファ - Luiz Bonfa (2:41

ジョアン・ドナート - João Donato (6:00

フランク・チャックスフィールド - F. Chacksfield (9:11

ロバート・マックスウェル - Robert Maxwell (11:20

バーデン・パウエル - Baden Powell (13:49)

 

ちなみに”オルフェ”という名前は、ギリシャ神話に登場する吟遊詩人の名でもある。ギリシャ神話のオルフェウスは、アポロン神を最高神とする密儀宗教の始祖でもあった。

彼が竪琴を弾くと、地獄の番犬ケルベロスでさえ、おとなしく聞き入ったと言う。

オルフェウスの死後、彼の竪琴は天に上げられて”琴座”となった。

 

 

3.LPレコードで ”引き潮” 5種の演奏で聴き比べ

パーシー・フェイス - Percy Faith (0:00

ポール・モーリア - Paul Mauriat (3:07

フランク・チャックスフィールド - Frank Chacksfield (5:37

ロバート・マックスウェル - Robert Maxwell (8:37

マントヴァーニ - Mantovani (11:15)