今回のヤング必聴の音楽シリーズは、久しぶりにニニ・ロッソだ。
歌の国イタリアの人らしく、その演奏は歌心に満ちており、没後30年 (NINI ROSSO : 1926-1994) になろうとしてもなお、彼の演奏を愛する人は多い。
彼の演奏に特徴的なのは、輝かしさと哀愁の両面が、トランペットで表現できる限界付近にまで達していると感じられることだと思う。
YouTubeでもニニ・ロッソが大好きな人による「彼の哀愁に満ちた演奏が好きだ」などのコメントを読むと、思わず「うん!うん!」と頷いてしまう。(^^ゞ
で、それなら、輝かしさと哀愁を「特に強く」感じさせる名演奏ばかりを、世界のすべてのヤングにご紹介するしかない。
(1)は輝きを感じさせる名曲集だ。
ご紹介する曲は本来、バラードに分類される曲が多いのだが、ニニ・ロッソはそこに輝かしい解釈を加えている。いずれも原曲と聴き比べると驚いてしまうだろう。
アダモの”雪が降る”やバルバラの”黒い鷲”など、演奏前半はオリジナル重視と感じられるのだが、後半部分の朗々とした響きに至ると、もうバラードという範疇を越えてしまっているように感じられるのだ。
(1) LPレコードでニニ・ロッソの輝き ”雪が降る” ”さよならをもう一度” 他 全6曲
(2)ではバラード演奏ばかりを集めた。深々とした思いを感じさせる作品集だ。
1,2,4曲目がクラシック音楽。3もスペインの古い音楽を基にしたもので、つまり5以外は伝統的な音楽ばかりなのだが、古いと感じる要素はどこにもない。
遠い地平線を見つめて歌っているような彼の演奏が色褪せることは、今後もないだろう。
ニニ・ロッソのオリジナル作品であり、代表作である”夜空のトランペット”は、やはり最後の締めくくり、静寂の前に置くしかないだろうと思う。
そもそも”夜空のトランペット”のオリジナル・タイトルが”静寂”なのだ。
(2) LPレコードでニニ・ロッソ バラード ”夜空のトランペット” 他 全5曲
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ご参考まで。「さよならをもう一度」のオリジナル・サントラ。作曲はブラームスだ。
