見渡すこともできない庭に、雨は降り続ける - 日立市 小木津山自然公園

 

使用レンズのご紹介リンク

Micro-NIKKOR-P Auto 1:3.5 f=55mm (NIKON)

 

 

雨が続く。光のコントラストが低い。ハイコントラスト下において感じる激しさは、ローコントラスト下においてはどこかどろっとした重さに変容する。
そんな中にいようかと、日立市の小木津山自然公園を歩いた。
 
しばしば行く場所なのだが、なぜかリピーターという感覚を持っていない。いつでも気軽に行けるから、どちらかというと「自宅の庭」みたいな感覚を持っている。
 
それなら、都心に庭付きの豪邸を持っている人に、このように言ってしまいそうになるではないか。
「居住する範囲をすべて容易に見渡すことができる、きみを羨む」。
いや、意味もなくそのような憎々しい発言をする必要はないのだが。
 
雨は降り続き、緑はさらに拡大してゆく。森の中の公園だから、周囲に広がるのはほとんど緑だけだ。
写真を撮る場合、色彩が多様なほどいろいろな”形”を拾いやすくなると思うのだが、ほとんど緑だけなのだ。
 
それなら、緑に限定された中から、どれだけ多様な”形”を拾い上げることができるだろうか。なんだか「緑の形態学」とでも呼びたくなるような状況になったりするからラッキーだ。
水が流れる音が響いている。仲間を呼ぶ鳥たちの声は、雨降る中に響いているのだ。