指南車を胡地に引去る霞哉
与謝蕪村
地の果てへと進軍する兵士たちは、先導する指南車をいつも見つめていた。
── 戦場となる異郷へと導く指南車を。
この日々、── 人はいつでも地平のかなた、戦場となる未知の領域を指している。
── 歩むべき道を先まで知る、人を導く者を見つめながら。
だがこの春の日、先導するものは春霞に隠れ、その姿はどこにも見えない。
春の光の中に、── いつしか目を閉じていた。
── 導くものは、すでに至っている、── 戦場である未知の領域に。
指南車を胡地に引去る霞哉
与謝蕪村
地の果てへと進軍する兵士たちは、先導する指南車をいつも見つめていた。
── 戦場となる異郷へと導く指南車を。
この日々、── 人はいつでも地平のかなた、戦場となる未知の領域を指している。
── 歩むべき道を先まで知る、人を導く者を見つめながら。
だがこの春の日、先導するものは春霞に隠れ、その姿はどこにも見えない。
春の光の中に、── いつしか目を閉じていた。
── 導くものは、すでに至っている、── 戦場である未知の領域に。