C.C Petri 1:5.5 f=300mm    PETRI CAMERA CO.,INC.

 

 

撮影はα7Sで行ったが、写真のカメラはペトリV6だ。

 

 

ペトリの300mm望遠レンズだ。ペトリは300mm望遠レンズを2種ラインナップしていた。

開放F値が5と5.5のものだが、これは1960年代の中期?に発売された、プリセット絞り方式の5.5の方だ。

 

光学系は2群4枚のシンプルなテレフォトタイプだ。

300mmレンズとしては比較的軽量なレンズなのだが三脚座が付いており、絞り羽根枚数も15枚と、作り自体は決してチープなものではない。

 

しかしそもそもの基本スペックである2群4枚という光学系は、写真機用というよりも「普通の望遠鏡」と呼びたくなるような光学系なのだ。

さらに、最短撮影距離が約7mと長い。焦点距離300mmなら3m程度が普通だろう。

 

内面反射もかなりあった。内面反射が大きいと黒が明るくなり、コントラストの低いフラットな描写になってしまう。古い望遠レンズで描写がフラットなものを見かけるが、内面反射による影響も大きいだろうと思うのだ。

 

「よっしゃ、それならこのレンズを漢にしたる!」ということで、塗料アクリルガッシュの「ジェットブラック」で内面反射防止処理を行った。

 

で、どこまで気合が入ったか、実写して驚いた。

エレメント枚数が少ないからなのだろうか、写りの生々しさが際立っているのだ。

前ボケは柔らかいが、後ボケが硬く、荒めなのが硬派らしくて良い。

 

それによって生きる被写体もある。「漢レンズ」?でなければ描けない被写体があると思うのだ。

 

福島県の棚倉城址、山本不動尊、 八槻都々古別神社をめぐった。このレンズでなければ描けない被写体は、そこにも広がっていたのだ。