今回、久しぶりにルネサンス・ポリフォニー音楽をアップロードした。

といっても初出ではなく、過去に抜粋してアップロードしたことがあるものだ。

 

過去にアップロードしたものに、「長いこと、これを探していた」というコメントが2件ついた。そのため、今回、抜粋ではなくLPレコード1枚を丸ごとアップロードすることにしたのだ。

 

1曲目は、死者のための鎮魂ミサ ”レクイエム”だが、決して暗澹たる音楽ではない。なにか、陽炎が揺らぐような独特の神秘性を持っている。

 

2曲目の”パンジェ・リングァ”は「舌よ、歌え」という意味だ。舌(=言葉)と歌(=音楽)の融合を指しているのかと思う。

 

ミサ・パンジェ・リングァのオリジナルはグレゴリオ聖歌だ。言葉と音楽の融合がまさにそこにあると思う。

 

ソレム唱法によって美しく洗練されたグレゴリオ聖歌だが、それはあくまでも20世紀に入ってからのことだ。

洗練される前の表現は、末尾に貼ったような表現だったと思うのだ。

 

グレゴリオ聖歌の最初期の表現には、他の原始的な聖歌や仏教の声明さらには詩吟などに至るまで、始原にある歌としてどこか共通しているものがあると感じる。

 

ルネサンス・ポリフォニー音楽はその点で独特だ。

美しすぎるのだ。欧州においてペストが蔓延した時期に、グレゴリオ聖歌はこのような形に変化していった。

ここに「欧州的なもの」の一面が潜在すると感じてしまうのだ。

 

 

(0:00 ) ピエール・ドゥ・ラ・リュー ”レクイエム”

(24:36) ジョスカン・デ・プレ ”ミサ・パンジェ・リングァ”

 - マルティン・ベールマン指揮 シュパンダウアー・カントライ