陽光の下の路面

昨夜の雨のことなど、すっかり忘れている。

 

地図

実測による地形地図に対し、空想世界として描かれた地形地図は、しばしばその形の全体に不自然なものがある。単に「それらしい形」をしているだけなのだ。

対して、実測による地図は自然の営為のコピーなのであり、つまりその形自体が必然の集積である巨大なアートなのだ。

 

見えないもの

目で見えないものに与えられる姿は多様だ。たとえば中世の欧州でペストは悪魔の仕業と考えられた。
見えないものに与えられる姿が、その文化の本質を明らかになる。
そうしてそこに特有の作品群が描き上げられてゆく。
 
雑踏の路面の影
喜んでいる人の影も、悲しんでいる人の影も区別がつかない。
 

居場所

無機質に構築された都市の建築群は、城塞の一つの姿でもあるのだろう。

街路、分岐の見えない側に差している影。

そこに潜在しているモノが、底も知れず深く重く、そうして虚無であるなら、長く滞在したくなることもあるのだろう。
 

居場所

陽光の下、荒漠とした大平原に止むことのない風。

かなたまで広がる、風に吹かれる野草。野生馬の群れが土煙を上げて走ってゆく。

虚無の存在しない領域。

旅人たちは、自分の故郷の姿ぐらい把握しておくべきなのだろう。

 

集中力あるいはバランス

慣れたキーボードなのに、タイプミスが増えることがある。

 

レミングス

川や海に群れが飛び込んでゆくから不思議がられる。

しかし群れが到達する場所は、破滅するしかない川や海だけではなく、沃野なのかもしれない。

レミングスの行進は、種の存続のために全体の命運を賭けるという、一点突破型の種レベルの巨大な博打なのだ。

 
文明の衝突
「あいつら、ちょっとおかしいんだ、あれで普通だと思っているんだから」
「え、だって普通だろ?」
 
午後の明るい山道
落ち葉を踏む音。
それは、冷えた明るさの中での、種子の眠りを妨げるものではないだろう。
 
 
 
 

 

J.S.Bach / W.Rübsam "Schüblerschen Choräle, BWV 646"

 バッハ シューブラー・コラール - リュプサム オルガン -[Vinyl Record]