眠りに入ろうとする初冬に、色彩は団欒であるかのように - 大子町 永源寺、常陸太田市の里山

 

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いよいよ紅葉もたけなわになってきた。ということで、大子町にある永源寺に行った。

創建は室町時代、西暦1446年だ。室町幕府は1336年から1573年まで続いたから、もっとも豊かで幸福な時期に創建されたのだろう。

明治維新期には水戸天狗党の乱で大火災に遭い、壊滅的な打撃を受けたのだが、いまはその全域が微笑に満ちていると感じる。

 

あちこちに石仏が置かれている。それらがみな微笑んでいる。

紅葉見物に来ている人の中には、「かわいい」などとバチ当たりな?ことを言っている人もいた。

いや、なにか全面的に納得してしまうのだ。

 

石仏に落ち葉が降り積もっていた。

「お!これいい!撮ってNHKに送ろう」などと言っている夫婦連れがいた。

途端に風が吹いてきて、落ち葉がどこかに吹き飛ばされて行った。

「そんなこと言ってるから、吹き飛ばされるんですよ」

「わはは」

「ぎゃはは」

 

冬に入り、すべてが眠りにつこうとしているこの時期、眠りの前の団欒であるかのように、色彩は広がっているのだ。