川に沿った土手道

道が境界になっている。人が住む領域と龍の領域の。

どこかに至るための道ではなく、境界である道。

 

予定

全ての予定には共通する前提がある。

少なくとも自分はその間、死なずに生きているということだ。

 

シリウス

恒星は生まれるとき、必ず連星から始まるという説が出ている。

恒星の成長に伴って片側が崩壊し、もう片側に吸収されてしまうことがほとんどなのだそうだ。また、崩壊しなくても白色矮星として、観測するのも困難な状態になってしまうこともある。

青い星シリウスはそんな白色矮星と対にあり、古代中国では天狼星と呼ばれた。

 

乗りの良い音楽

なぜこうもまた、あれも捨てろこれも捨てろと、放棄することばかり要求してくるのか。

 

雲間からの日差し

日差しが広がってゆく、しかし雲間からの日差しだから、すぐ近隣であっても日が当たっていない場所もあるのだろう。

 

隧道

千葉県の外房のどこだっただろう。断崖に面した森の中の道だった。

道の入り口の案内板に、過去には芥川龍之介や三島由紀夫もここに来たと書かれていた。

道に沿って歩いてゆくと、木々の合間から海がときどき見えた。

途中、何ヶ所も手掘りの隧道があった。ほの暗い隧道の中を歩きながら、ふとこの先に何があるのか、わからないことに気が付いた。

やがて小さな漁港に行き着いた。小さな白い船が一隻停泊していた。

芥川や三島がなぜここに来たのだろうかと思った。

しかしいま、そこがどこだったのか思い出せない。拡大地図で探してもわからないのだ。

分からないままに記憶だけが残っている。それは夢だったのだろうか。

 

風鈴

雨上がりの日差しの中、まだ濡れたままの風鈴の音が響いている。

 

階段

見知らぬ街で、ふと見つけた階段を上っていると、途中で二方向に分岐した。

だがやがてまた合流して一つになった。いったいなぜ、二つのルートを作る必要があったのだろう。

二つのルートに挟まれた小さな空き地に茂る野草の花々は、口が堅いようでなにも教えてはくれないのだが。

 

神話

常に形を変え、移ろってゆく月が神とされ、その位置を決して変えない北極星もまた神とされる。

 

雨上がり

いつしか消え去った雨音のざわめき。そうしてそれに代わる、鳥たちの歌声。

 

 

 

 

 

 

 

Le Carnaval Des Animaux (Carnival Of The Animals) ,

 Zoological Fantasy - Aquarium