風鈴
風と楽しげに語らっている。
その会話を、道行く人たちが楽しげに、しかも素知らぬ顔で聞いている。
休憩タイム
扱いがけっこう大変だ。それによってテンションを落とすようなことになると、戻すのに休憩時間より以上の時間を要してしまう。
いや、休みっぱなしなら何の問題もないのだが。
街
降り始めた雨の中、橋の向こうに見える家々の姿が、淡く遠ざかってゆく。
おかっぱ頭で古風な着物姿の女の子が、哀しい人が住む家にそっと入ってゆく。
夜道の話声
窓の外、夜道の街灯がある方から、会話する声が聞こえてくる。
昼間に聞く会話の声とは、ずいぶん印象が異なるものだ。
イトトンボ
不思議なのだが、今年に限って家の周辺でよく見かける。
近隣に池などないのだが。
疲労感
燃え立たないものが、内に澱のように残っていると、必ずこいつがやってくる。
山の声
山の怪の類の本で、吹雪の夜、人の声が聞こえてきたというのがある。
あらゆる帯域の音を含むノイズは、それ自体混沌としたものだ。
それなら、話しかける声と似たものを、「混沌としたノイズの中から選び出している」という説明も成り立つだろう。
選び取りたいものをかならず内包している。それこそが「混沌」なのだ。
窓の灯
あの場所に人々がおり、あの場所に人々の生活があり、あの場所に人々の眠りがある。
ここがそうであるように。
異国の古い佳曲
それを聴けば、その国のすべてがそうだと思ってしまうのだから、下手な観光推進局の比ではない。
涼風
贈られてくる、あらたな季節のささやき。
とても持ちきれないほどの贈り物が、透けて通り過ぎてゆく。
Gabriel Fauré "Violin Sonata No.1 in A Major, Op.13"
- Doukan, Cochet - [Vinyl record]
