SUN ZOOM YS-60 F:3.5 60-135mm (Sun Opt.)
このレンズはサン光機(ゴトー・サン)の標準~望遠ズームだ。発売は1970年頃だろう。焦点範囲は60-135mmで、後に短期間だが主流となる70-150mmに対してやや広角寄りだ。
サン光機は非常に早い時期に一眼レフ用ズームレンズを手掛けた。
「写真工業」誌2007年12月号の記事によれば、レンズ専門メーカーのズームレンズへの参入は、1963年タムロン、1966年サン、1967年トキナーとコムラー、1971年シグマとある。
当時、数多く存在したレンズ専門メーカーの中でも、サンは先進的なメーカーだったと言える。
当時、数多く存在したレンズ専門メーカーの中でも、サンは先進的なメーカーだったと言える。
このレンズはコロンと丸っこく、なかなか可愛い。作り込みがしっかりしており、総金属製だからけっこう重いのだが、それが「可愛いだけのレンズではない」という意気込みを感じさせる。
最短撮影距離は2mだ。特に焦点距離60mmでの撮影において最短2mというのは、気合が入りすぎというものだ。
このレンズが語りかけてくる。
「ねえ、ねえ、どこかに一緒に行ってあげてもいいよ」。
「やだよ、寄れないから」。
「いや、大丈夫。意地を見せるから」。
「スペックって、意地で何とかなるものじゃないだろ」。
「阿呆のくせに、細かいことにこだわるね」。
「うるせえ」。
ということで大子、袋田の滝に行くことにした。いや、あのエリアは最短2mでも困らない被写体が多いのだ。
あいにくの曇天で撮影条件は非常に悪い。このレンズはどこまで意地を見せてくれるだろうか。