わがうへに露ぞおくなる天の川とわたる舟のかいのしずくか

 

                題しらず

                              よみ人しらず 古今和歌集 巻第十七 雑歌上 (863)

 

 

旅寝するこの野に、夜は更けてゆく。── 横になっても、覚めたままに。

風か、── 水の流れる音が、どこかから寄せている。

 

永遠なるものは見えぬ場所にあるのではない、── 天空に、大河がひろがっている。

 

この身がかすかに濡れている。── 天空の舟人の櫂のしずくなのか、── 降り注ぐ言の葉に濡れてゆくのか。

 

 

 

 

 

 

 

Bach - An Wasserflüssen Babylon BWV 653

- Van Doeselaar | Netherlands Bach Society