楽曲が終わる瞬間
そこに訪れる、まるで吸い込まれてしまうかのような静寂が不思議だ。
楽曲が終わった瞬間、この現実世界が姿を現すというのに。
楽器
共振が発する音律。おそらく、共振があることが楽器の本質的な要素と言えるのだろう。
人と人との関わり同様に。
熊の目撃情報
熊の目撃情報にはいろいろなパターンがある。
こんなのがあった。「木から落ちてきたので、熊だとわかった」。
箴言
子どものころ、2~3人で絡まったまま転倒して、手首を骨折したことがある。
手首近くが90度に折れ曲がってしまい、うずくまったまま、もう片方の腕で抱え込むようにして戻した。
激痛が全身に走って起き上がれなかったのだが、友人がこんな驚くべきアドヴァイスをしてくれた。
痛いのは腕だろう?、足は何ともないんだから、起き上がれるだろう?
色が変わってゆく木立
まとうものを変えれば、激しく拡大してゆくものとは別のものになれると、語りかけているかのようだ。
タイヤ
路面にしっかり食いつくが、貼り付くわけではない。
減って来たって?
路面に貼り付いたものはタイヤ本体から切り離され、タイヤではなくなったということなのだ。
死
死んだことがないからわからないが、少なくとも一つ言えることはある。
神経系が機能停止するのだから、ある種の圧倒的なホワイトアウトが押し寄せるということだ。
さえぎられない休息
ゲートのある舗装道路。車両は通行止めだが、歩いて中に入ることはできた。
ゲートの先、路上でふと横になったら、路面は温まった大岩のようなもので、しばらく起き上がる気がしなくなった。
普通の道路だったら、救急車やパトカーが来ていたかもしれないのだが。
建築
構造的に支え合っているものは、巨大化すればバランスを崩したときのリスクも巨大化してゆく。
人が秘める狂気と同じように。
カーテンの隙間からの日差し
見つかってしまった。ここに居ては駄目なのか?
