不思議に満たされた、川沿いの聖域 - 栃木県 日光市街
 
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大谷川の憾満ヶ淵は、神橋より上流に位置している渓谷だ。
独特の不思議な感じがするエリアだ。旧田保沢御用邸から憾満ヶ淵に向かう道に沿った家々のたたずまいにも、不思議に静かなものが感じられる。
憾満ヶ淵に近付くにつれ、そんな雰囲気は高まってゆく。この感覚は、言葉ではどうにも言い表せない。
 
憾満ヶ淵に沿って、「化け地蔵」と呼ばれる石仏群がある。
江戸時代初期、天海僧正の門弟たちによって彫られたもので、かつては百体あったそうだ。その後、大谷川の氾濫によって流されてしまったのだが、それでも現在、七十体ほどが残っている。
 
話が飛ぶが、この天海僧正という人は謎が多い人だ。
徳川家康の側近として有力な存在だったにもかかわらず、どんな人だったのか、素性がよくわかっていないのだ。彼自身も、なにも言わなかったらしい。
そのため、彼の素性についてさまざまな説が出ることになる。天海僧正=明智光秀生存説などもその内の一つだ。
 
なんだか関わっているすべてが不思議満載だ。
で、話を戻すが、なぜ「化け地蔵」と呼ばれているかというと、お地蔵さんの数を行きに数え、帰りに数えると、数が合わないからなのだそうだ。
 
いや、勘弁してほしい。これだけは不思議でも何でもない。自分の数え間違いをお地蔵さんのせいにして、それだけでは気がすまず、化け地蔵呼ばわりとは。
まあそれでも、お地蔵さんたちは川の音を聞きながら微笑んでいるのだが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

J.S.Bach - Fugue in A minor, BWV 543 (A. Schweitzer)