ひさかたの月は照りたり暇なくあまのいさりはともしあへり見ゆ

 

                遣新羅使等歌

                読み人知らず 萬葉集 巻第十五 (3672)


光をまとう天の釣り舟は天空に高く、西の果てへと静かに向かってゆく。

 

降り注ぐ光の中に、海原は緩やかにうねり、── かなたの水平線には、漁火が連なっているのが見える。

漁火は止まることなく、── 海原に海人の歌がひろがっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

J.S.Bach BWV578"Little" Sone Mayako