夏の曇天下、水面と緑は風を受け - 笠間市、飯田ダム (笠間湖)
朝から曇っていて、オニのように蒸暑い。それなら、爽やかな高原に行ったような気分になりたいものだ。
ということで、笠間市の飯田ダム、別名笠間湖に行った。この「笠間湖」という名称は、公募によって選ばれたのだそうだ。選外になった名称もぜひ見てみたいものだ。
いわゆる「せき止め湖」は自然の活動によってできたものだが、もちろん人工的なダム湖であっても、せき止め湖と似たような景観がひろがる。
飯田ダムは多くの沢がまるで手のひらの形のように集まっており、その全体形状は非常に複雑だ。
そのため、たとえば福島県の磐梯高原などに点在する、せき止め湖周辺で見られるような景観がひろがるのだ。いや、なにしろ、磐梯高原は好きな場所だ。
ダム湖の周囲5km近い歩程を、何度も橋を渡りながら移動し、水辺のあちこちに踏み込んでゆけば、実に多くの絵を拾うことができる。
5km移動と言っても「止まっては歩き」をくり返すため、軽く3時間ぐらいかかるのだが、じつにヘルシーではないか。
緑はこれからも、さらに濃密になってゆく。これが8月になると無数の蜘蛛の巣によって、踏み込むのが大変な場所も増えてくる。
夏に限れば今頃までが、なんとか奥にまで踏み込める時期と言えるのだ。
で、今回、行ってみて想定を超える状況もあった。
「爽やかな高原ヘルシー環境」のはずだったのだが、待っていたのは「オニのように気合が入った高湿度環境」だったりした。
「ま、またしても一本取られたわ」とか思いつつ、それであってもなお、水辺の風景の中をめぐるのは楽しいのだ。