エルフたちが迎えてくれる森の中へと - 那珂市、茨城県民の森、筑波神社、その周辺
立夏が近い。爆発的に花々が開花した春は過ぎようとしている。森の新緑は濃密な緑に遷りつつあり、次のステップへと進もうとしている。
それならと、森の中の道を歩こうかと思った。
地方の自然公園は、そこに自然を移植したというよりも、もともとある自然の中に遊歩道や東屋などを整備し、人が歩けるようにしたものが多い。
かつて、人がほとんど入り込むこともなかった本来の森の姿は、その多くがそのまま残っているのであり、歩けばいつも、そこに豊かな気配があるのを感じてしまう。
そうしてその気配は、人の意志とはまったく異なる、あまりにも素っ気ない風のようなものなのだ。
森の中でカメラを構えているとき、頭の上になにかが落ちてくることがある。
「・・・。どうか、木の小枝でありますように・・・」。
どこかから、くすくす笑う声が聞こえて来そうではないか。
「蛇に注意」などの看板も見かけるのだが、実際にヤマカガシなども、希にだが見かけることがある。
他にもスズメバチやクモ、イモムシなど、街の中では排除されるであろう生き物たちも、そのくすくす笑う声は、すべて受け入れているのだ。もちろん、ニンゲンもだ。
いや、いずれも、頭の上に落ちてきてほしくはないものだが。