気温の高い日、森の新緑の中を - 日立市、小木津山自然公園
四月は、月初めと月の終わりで、まったく異なる絵を見せてくれる。花々と新緑が爆発的に表出するのだ。おかげで、こちらまでやたらと忙がしくなる。
今日は暖かいどころか暑い。こんな日は森の中を歩きたくなる。
で、選んだのが自然公園なのだが、公園の周囲には手付かずの森林が広がっている。
数年でも放置すれば、たちまち本来の森林に飲み込まれてしまいそうな、野趣に溢れた公園なのだ。
造成されて五十年ほど経つから、いまは人の手と野性とがすっかり融合し、森として独特の雰囲気を持つ。
個人的には、ここには神社に似た「気」があるのをいつも感じる。
自分自身、けっして「見える人」ではないので不思議なのだが、ときどきはっきりと、そのように感じる場所に行き当たるのだ。
そんな場所を時間をかけて歩くのはじつにヘルシーだ。
しかし帰宅後、好調になった身体のせいで、夜には酒をしこたま飲みたくなるから、なにがヘルシーなのか、さっぱりわからなくなったりもする。
自然風景は切り取り方次第で、抽象画的、前衛的な絵すら切り出せるところが面白いと思う。もちろんそれは難しいことなのだが、だからこそ面白いのだ。
ついつい、文化人みたいな顔をして、「ぼくはね、抽象とか前衛?、そういったものに強い共感があってね」とか言いたくなるではないか。
いや、言いたくならないが。
使用レンズは中判645カメラであるゼンザブロニカETR用の250mm/5.6で、マウントアダプターは自作だ。中判レンズは特に質感描写が際立って優れていると思う。
先に、コンパクトカメラ用の38mm/2.8レンズを使ったから、これがユニークレンズシリーズの第二弾となる。
いや、別にシリーズ化したつもりはない。いま、思いついただけだ。