聖域にある湧水に沿って、海へ - 日立市 泉神社およびその周辺

 
 
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所用があって通りかかった道沿いにある泉神社に立ち寄った。
名前の通り、湧水がある神社だ。創建年代は不明だが、紀元前からあるとされる。太古の昔からこの周辺は特別な場所だったのだ。
 
奈良時代初期に書かれた「常陸風土記」には、この湧水は小川をなし、小川に沿った場所には土地の男女が弁当や酒肴を持って集まり、にぎやかに歌ったり談笑したりしたと記述されている。
そういうのはまずい。思わず、混ぜてもらいたくなるではないか。
 
海の幸、山の幸に恵まれたこの地は豊かで、まるで常世の国(天国)だと記されている。天候不順による飢饉になっても、海産物は影響を受けなかったのだろう。
つまり、食うに困らないということによって、常世の国とされる時代があったのだ。
 
 
湧水からの小川には、絶滅の恐れがあるとされる「いとよ」という魚が棲んでいる。
「いとよ」はよほどの清流でないと生きられないそうだから、国内でも生息する場所は限られているようだ。
水清くして魚棲まずというが、つまり、天敵となる魚などが棲めない環境によって守られてきたと言えるのだろうか。
 
小川に沿って歩いていると、鴨がわーわー騒ぎながら逃げてゆく。帰宅後に調べてみると、どうやら「ヒメハジロ」らしい。
ヒメハジロが主になにを食べるのかも調べてみた。「いとよ」などとあったら大変だ。
ところが検索すると、なぜか鴨料理の紹介ばかり出てくる。鴨の食べ方ではなく、鴨がなにを食べるのかを知りたいのだ。
 
で、なんとか、わかった。雑食だが、食べるのは藻とかタニシとかがほとんどらしい。
小魚も食べるには食べるようだが、エサとして、すばしこいものを追うより、じっとしているものをゲットした方がよほど省力エコと言えるだろう。
どうやら「いとよ」は、事なきを得ているようだ。
 
湧水がある場所から海は近い。こういう場所をぶらぶら歩くのも、楽しいと思うのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Johann Sebastian Bach CONCERTO ITALIANO BWV 971 Marco Mencoboni