SUPER-KOMURA 1:4.5 f=75-150mm
KOMURA ZOOM 715 - KOMURA-LENS MFG.LTD
「コムラーレンズ(旧社名 三協光機)」のズームレンズだ。
三協光機は1969年にコムラーレンズに社名変更しているから、このレンズは1969年以降に発売されたことになるが、社名変更後、最初期のものだろう。
ピントリングやズームリングがゴム巻きである以外、総金属製のボディはずっしりと重く、デザインはテーパー加工を多用したかなり凝ったものになっている。
同時代に販売されていた他社レンズと比較しても、こういうデザインは珍しく、かなり異端的な存在だったと思う。
このレンズはユニマウントと呼ばれるコムラー独自のマウント交換方式を採用している。ユニマウント単体はタムロンのアダプトールなどと比べても、かなりゴツいが、設計思想によるものだろう。
カメラとレンズを接続する個所だから、華奢になることを避けて、あえてゴツくしたのだと思う。
最短撮影距離は1.8mであり、マクロ機構はついていない。とくに焦点距離75mm付近で使う場合、最短1.8mは結構きつい。というか、半端なくきつい。
また、このレンズはズーミングするとピントが大きく外れ、再度ピント調整をする必要がある。そのため使い勝手が良いとはけっして言えない。
それなら描写面ではどうか。
ネット評価は、絞り開放で周辺が流れるとか、ほぼ残念なものが多いのだが、けっしてそんなことはない。
フルサイズで絞り開放で使ってみても、とくに周辺流れは感じられないし、階調表現も穏やかで黒潰れしにくく、質感描写も決して劣るものではない。
周辺部の流れなど、おそらく分解でもしてエレメントの向きを組み間違えたんだろう、などと思ってしまう。これは自分でも、ほかのレンズで経験済みだ。(^^;
このレンズの名誉のために、ただ単に使いにくいというだけで、描写面で目立つ欠点は感じられなかった。
被写体選びにはいつもマイブームみたいなものがある。
最近ハマっているのが川面撮影だ。川面はいままでにもけっこう撮影はしていたのだが、ハマるという感覚はなかった。
過去にもさまざまなタイプの被写体にハマったりしてきたのだが、いずれもが、それまでにも意識することなく、普通に撮影してきたものだった。
同じことをやっていても、ハマるという感覚の有無があることが、なんだか不思議だ。
で、それなら、矢祭に行くしかない。帰路には海辺もめぐってみよう。
それにしても、相変わらずガッツリ曇っている。光量不足だとレンズ描写のアラが出やすいのだが、この、「褒められている記事を見たことがない」レンズは、悪条件下でどこまで意地を見せてくれるだろうか。
この記事の末尾に置いた同時代のレッド・ツェッペリンをBGMに、このレンズの意地を見ていただきたいのだ。