ROKKOR-TC 1:4 f=135mm minolta
撮影はα7Rで行ったが、上の写真はレンズと同時代の、ミノルタ SR-7だ。
1960年に発売されたミノルタ最初期の一眼レフ用レンズ、ロッコール135mmだ。光学系は、このレンズだけのものであり、以後使われることはなかった。
開放F値4というスペックは、あまりにも地味すぎると判断されたのだろうか。
この光学系は、1893年に発表されたエレメント3枚構成のトリプレットだ。
トリプレットレンズは明るくすることと、周辺部の画質まで安定させることが困難だったため、主流の座をテッサーに譲ることになった。
しかし、いまなおその描写を好む人は多い。トリプレットタイプの描写性能の特徴は、その抜けの良さ、生々しさだ。
テッサーの描写にもバリッとした生々しさを感じるが、トリプレットはさらにその上を行くのだ。
135mmという焦点距離は、中望遠レンズに比べて、いわゆる「望遠らしさ」が出てくる焦点域と言える。
ズームレンズが普及していなかった当時、一眼レフを使う場合には、複数の単焦点レンズを選ぶ楽しさがあった。
もっとも標準的な組み合わせが「28mm広角」「50mm標準」、そうしてこの「135mm望遠」だった。
いまでも市場に数多く出回り、入手しやすいのがこの135mmレンズなのだ。
もっとも標準的な組み合わせが「28mm広角」「50mm標準」、そうしてこの「135mm望遠」だった。
いまでも市場に数多く出回り、入手しやすいのがこの135mmレンズなのだ。
なお、当時のロッコールは、名称にアルファベット2文字を付記していた。これは「*群*枚」というレンズ構成を示している。
- 群数 T=3,Q=4,P=5,H=6,S=7,O=8,N=9
- エレメント枚数 C=3,D=4,E=5,F=6,G=7,H=8,I=9,J=10,K=11,L=12
湿度は高く、天気は極端に不安定だ。朝、晴れていてもどうなるかわからない。
レンズはトリプレットを選ぼう。確信したかのようなバリッとした描写は、こんな日には似合いそうだ。
かつてこの付近に山城があった。源頼朝がこの地に攻め寄せてきたとき、佐竹氏が防戦した山城なのだが、よくここまで攻め寄せてきたものだと驚いてしまう。
このレンズとは、そんな場所をめぐろう。
Joan Baez - Here's to you, Nicola and Bart