F.ZUIKO AUTO-T 1:4.5 f=300mm OLYMPUS
撮影はα7Rで行ったが、この写真のカメラはOM-4だ。
1970年代、オリンパスから登場した革新的な一眼レフカメラシリーズ、OMシステム用の300mm望遠レンズだ。
この4群6枚構成のレンズは銀縁タイプの初期型でマルチコートされていない。
しかし写りは、「マルチコート?なにそれ?」と言わんばかりに?すぐれている。
このレンズは低分散ガラスを使用しており、隠れAPOレンズとして、素性が極めて良いのだ。
ズイコーレンズの描写はシャープなのだが、シャープさより以上に濃さを感じさせる。ちょっと不思議なレンズだと思う。
しばしば感じるのはその甘さだ。甘さといってもピントの甘さではない、どこか黒砂糖のような味を持っているのがズイコーレンズだと思うのだ。
OMシステムの登場は、当時のカメラ界に衝撃を与えた。
それまでの一眼レフカメラは「大きい、重い、シャッター音がうるさい」という特徴を抱え、それが当たり前とされていた。
オリンパスの米谷美久という技術者がそれに異を唱え、世に出たのがOMシステムだった。
OMシリーズはたちまちベストセラーとなった。オリンパスは一眼レフカメラにおいて後発組だったにもかかわらず、一眼五社(ニコン、キヤノン、ペンタックス、ミノルタ、オリンパス)の一角に食い込むことになり、ペンタックスなど、多くの一眼レフメーカーが小型軽量化を追求する端緒となったのだ。
レンズ名「ズイコー」とは、「瑞光→ZUIKO」だ。
ZUIKO名の最初のレンズは1936年に発売されたから、もう80年以上も前にZUIKOという名前は登場しているのだ。
天気が不安定だ。晴れていたと思ったら雨が降りはじめる。
それなら、あの森の中の水辺の道を歩こう。晴れていても、雨が降っていても、多彩な姿を見せてくれるだろう。
Mozart K.488 Piano Concerto #23 in A (1st. mov. - Allegro)_Gulda