INDUSTAR-61 2.8/52 FED
ロシアレンズ、インダスター61だ。レンジファインダー機のライカLマウント用のレンズで、レンズタイプはテッサーだ。
一般にはなじみが少ないロシアレンズだが、安価でよく写るという理由で、なかなか根強い人気がある。
第二次世界大戦後、ドイツは東西に分割された。ロシア(旧ソ連)は東ドイツのカール・ツァイスを接収し、結果、ロシア製の多くのレンズが、ツァイスの設計を基本に製造されることになった。
つまりロシアレンズは、その血筋が「名門のおぼっちゃま系」?なのだ。
19世紀から20世紀にかけて、現代レンズの基本となるレンズ光学系が、つぎつぎに発表された。
1891年アナスティグマット、1893年トリプレット、1897年ダブルガウス、1900年ヘリアー、そうして1902年にテッサーと続くのだが、「テッサー」は写真機用レンズの世界を一気に席巻した。
ダブルガウスは、いまでは標準レンズ系で主流になっていると言えるが、それも1960年頃からの話なのだ。
ロシアレンズには「まんまツァイス・コピー」と言われるレンズもあるが、簡略化のための設計変更がなされていることも多い。
むしろ「異国に生まれた、同じDNAを持つ者」と考えたほうが良いのだろう。
このレンズはすでに下記リンクにてご紹介したことがある。
異国に生まれた、同じDNAを持つ者 - ロシアレンズの描写 (2) ◆
おなじ記事に複数のレンズをご紹介していたため、あらためて撮り直し、レンズごとに記事を独立させることにした。
昨夜は雹と雷雨だった。それなら今日は、久慈川の増水した流れの音を聞きながら川に沿った場所をめぐろう。
最近、寺社の撮影が多いのだが、被写体となるものがあまりにも多い。いにしえの時代からあるものは、なにかが違うのだろうか。
あくまでも個人的な感覚だが、お寺さんには包み込むような温かさがあり、神社には、人の顔が出てこないからなのだろうか、寄せつけない峻厳さがあると感じる。
「寺社」と一括した表現はあっても、個人的にはそれぞれ違うのだ。
そんな場所をめぐろう。インドから来た大黒天を祀る”慈雲寺”と、その歴史において日本武尊や坂上田村麻呂、源義家の名も出てくる”近津神社 上野宮”だ。
ロシアから来たレンズはそれらをどのように切り取ってくれるだろうか。
↓画面中の 「YouTubeで見る」 をクリックすると閲覧できる。
J.S. Bach - BWV 657 - Nun danket alle Gott